おまえツルハシになれ。
そのあと下級パーティーの皆を護衛しつつ地上に戻ろうと言う話を皆でしていると、
「あの。」と魔術師の少女がレオンの肩を叩く。
「どうしたの?」
「さっきあの人が刺さってた壁のところ、空洞があるように見えるんですが?」
「空洞?」私とレオンは同時に反応する。
二人で急いで穴の奥を見る。確かに空洞がある。ダンジョンの向こうに空洞があるなんて聞いたこともない話だ。
ダンジョンの壁を構成するレンガをどかそうとするが、簡単にはいきそうもない。
するとレオンは申し訳なさそうに私の目をみる。
「イリーナさん。つるはしって知ってますか?」知ってるよ。
意外と簡単に壁は破壊できた。
それまでの地獄のような絵面を間近で見た下級パーティーの面々はドン引きしていた。
壁を破壊すると奥に続く通路が出て来た。
「何?この通路?」
「わかりません。こんなの聞いたこともないです。」
「行ってみる?」私は尋ねる。
「確かに行きたいですけど、負傷者の護送も必要です。あまりのんびりするわけにはいかないですよ。」レオンは無念そうに言う。
「確かに。こんなの初めてみるから何があるかわからない。しっかり準備をしてから行くべきだね。」
「一番乗りはしたいですけど、死んでしまったら元も子もないですからね。」
「うーん、そうだね。先を越されるのは悔しいけど。」私も渋々了承する。
「それなら、隠蔽しませんか?」魔術師が声をかける。
「え?」
「私たちもここを探索したいですし、この通路を私の魔術で隠して後で万全の体制を整えて挑戦しましょう。」確かに悪い提案ではない。すごいアイテムなどがあれば他に譲るわけにはいかない。
しばらく話し合った結果今回は彼女の魔術で出入り口を隠した。
いずれ協力して探索することになった。今回は負傷者を連れてダンジョンを出た。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます