僕とお嬢様の日常

永露 しぐれ

始まり

世の中にはいろんなバイトが存在する例えば飲食店の接客や引っ越しなどだ、しかしバイトの中にも珍しいものもあるそれが、執事のバイトだ。

執事とは、その名の通り主人に仕えサポートする人のことだ、ただサポートと言っても様々なものがある、掃除洗濯料理に買い物までなんでもござれである。

なぜ俺がこんなことをしているかというと、理由は両親のいない俺と妹と弟と暮らすためである。俺は今年で高校1年生になり、妹は中学2年生そして弟は小学5年生になったのだが両親が突然亡くなってしまい生活が困難になってしまったのだ。そこで俺はここでバイトをしながら住まわせてもらっているのだ。ちなみにこの屋敷の主人はいい人なので安心して住み込みができる。

「おはようございます」

そう言って玄関を開けるとそこにはメイドがいた。

誰か知らないけどとにかく元気に挨拶する。

「今日からよろしくお願いします!」

メイドの人は少し驚いたようだがすぐに

「はいこちらこそよろしくお願いいたします」

その人はとても綺麗な人だった。髪は長くてさらさらしていて顔立ちはとても整っていてスタイルもいいし身長も高い。まるでモデルさんみたいだった。

「あのー私の名前は神崎美月です!あなたの名前を教えてください」

「えっと僕は水無瀬武尊と言います」

「へぇ〜水無瀬くんって言うんだね?じゃあこれからは私のことは美月って呼んでください!」

「わかりました美月先輩」

「うぅ〜」

なぜか彼女は少し顔を赤くしていた。どうしたんだろうか熱でもあるのか?

「大丈夫ですか?」

「はい大丈夫ですよ!心配してくれてありがとうございます」

「いえいえ当然のことですよ」

「ふふっ優しいんですね」

「そんなことないですよ」

「では早速仕事の説明をしたいと思います」

さすが仕事の先輩だ話が早い。

「はいお願いします」

「まず朝起きたら私を起こしに来てください」

え...自分で起きてくださいよ、と思ったがここは我慢、話を聞こう。

「わかりました」

「それが終わったら朝食の準備をしてください」

それは慣れているから大丈夫だ。

「はい」

「朝食ができたらお嬢様を起こしてきてください」

話には聞いていたけど、本当にお嬢様というのがいたのか。

「わかりました」

「朝食を食べ終わったらお嬢様と一緒に学校に行ってください」

え...どうして?

「えっ一緒に行くんですか?」

俺は疑問を持った。同じ年の女の子しかも相手はこの家に住んでいる令嬢である女の子だ。そんな子と登校なんかしたら周りの男子たちに何されるかわかったもんじゃない。でも断れないだろうなぁーだって断ったりしたらいっきに好感度下がってクビになるかもしれねぇーしそれにもしクビになっても住む場所もないだからおとなしく従っておこう・・・。まぁ何とかなるさ!うんきっとそうだ! こうして俺の新しい生活が始まったのであった。

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