いけいけ勇者様4

最上司叉

第1話

魔法使いはいつものように薬を作って売っていた。

ある女が来るまでは。


その日初めて薬を買いに来た女がいた。


魔法使いは薬を渡し金を受け取る。


いつものことだ。


だがその女は毎日薬を買いに来た。


魔法使いは不思議に思いながらも薬を売っていた。


次の日また次の日と薬を買いに来る女。


魔法使いはその女に話しかけた。


「毎日薬を買って何に使ってるんだ?」


「母親が病気で」


イヤイヤそれでも毎日は多すぎる。


女はそれからも薬を買いに来た。


魔法使いは女と話をするようになった。


なんでも女の母親は難病で毎日薬が必要らしかった。


魔法使いは今どきなんていい子なんだと思った。


魔法使いはある薬を作るために希少な素材を取りに来ていた。


女に渡す薬だ。


もちろん頼まれていない。


魔法使いが勝手にやっている。


魔法を結構使ったため疲れていた。


そこで街の酒場でご飯を食べることにした。


するとある噂話が聞こえてきた。


ある女の話だった。


なんでも母親が病気と嘘をつき男に貢がせると。


魔法使いはまさかなと思いながら帰った。


次の日また女が薬を買いに来た。


魔法使いはいつものように薬を渡し金を受け取った。

魔法使いはすぐに奥に行こうとした。


すると女が


「私なにかしましたか?」


と言ってきたので振り返ると涙目で魔法使いを見上げていた。


魔法使いは騙されるかと必死にこらえ


「ありがとうございました」


と言った。


それから女は来なくなった。


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