第三章

第二十二話

 放課後になり、部室に入ると既に白の姿があった


「お疲れ様です先輩、ゲームをしましょう」


 そう言いながら嬉しそうな笑顔でこちらに向かってくる


 白を見ると胸が高鳴るが俺は平静を装いながら返事をする


「いいだろう、勝負だ白」


 その後、二人して黙々とゲームをしているとあっという間に下校時刻になってしまった


 外は既に暗くなっており、かなり時間が経っていたことが分かる


「そろそろ帰るか、白」


「はい、帰りましょう先輩」


 校舎を出ると空には綺麗な星々が広がっていた


 隣にいた白も同じことを思っていたのか感嘆の声を漏らす


「わぁ〜!きれい……」


 彼女の瞳に映るのは満天の星たち、それはまるで宝石のように輝いていた


 しばらく無言で見つめ合ってから、どちらからともなく手を繋いでそのままゆっくりと歩き出す


 何を話すわけでもなくて、ただ手を繋ぐだけだがそれだけで幸せだった


 やがて分かれ道に差し掛かった



「……じゃあな白、また明日」


「はい、また明日会いましょう先輩」


 そう言って別れた後、俺は家に帰るまでの間ずっと白の手の温もりを感じていた


 そして思う、この幸せな日常が続きますようにと


 俺と白は婚約していて結婚が約束されている。 だが、それでも不安になる時はある


 いつかこの関係が崩れてしまうのではないかと


 だから願う、この幸せな日々が何時までも続きますようにと

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