5日目の4日目

君の名前を呼びながら、おとーにゃんはまた旅立ちました。

退院する日には来てくれるから、一緒に退院しましょう。


寝ながらミルクを飲む君は、どうやらおとーにゃんに似たようです。


そしてそのミルクを、私は用意できるようになりました。

君の飲む分のすべてを用意できるようになりました。


まだ君が小さいからだけれど。


おとーにゃんのいるときの君は元気溌剌で、やっぱり好きなんだなあと知らされます。


おとーにゃんの話をするだけで笑顔になる寝顔を、早く退院してからおとーにゃんと一緒に見たいです。


君の天使な寝顔を、泣かずに見られるときが来るのでしょうか。


今日も今日とて泣いてしまいます。


毎秒撮っていたいし、毎秒見ていたい。


それでもきっと、君には追いつかないのでしょう。


それを嬉しく、寂しく感じています。

もうお腹のなかにいないだけ、余計に。


毎日朝から会いに行っても足りない気持ちは、どうすればいいのでしょう。


君への愛情をもてあましています。


わかるのは、君がかわいいということ。


手術前に、「何があってもこの子だけは」と祈った気持ちは、未だに消えません。


何があっても君だけは――かわいくて愛される人生を送ってほしいと思います。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る