第1話「依頼1」

 朝のホームルームが終わり1限目の準備をしようとした時、「ケーイお客さーん」と声が聞こえた。声の主は同じクラスのさかきしゅう。中学校からの幼馴染でシュウって呼んでる。「ちょい待ち今行く」大体呼ばれる理由はわかってる。そう思いながら教室の外へ向かう。「ありがとシュウ準備してきなよ」「おう!1限目遅れんなよー!」とシュウは教室に戻った。さて今日は誰だろう。

「はっ初めっまして・・わっ私2年C組の紗倉さくら結奈ゆいなって言います・・・」

第一印象は身長が小ちゃい。あと声が小ちゃい。そうさせる何かがあったのだろうか。

「3Aの春名はるな京衣けいです。相談室ですか?」

なるべく刺激しないように優しくそう尋ねた。

「はい・・・お願いします・・・」

「わかりました。とりあえず1限目に遅れると悪いので昼休みにクラスと名前、希望の日時を記入した紙を持ってきてください。紙はなんでもいいので」

可能ならいち早く助けたいけど授業に遅れて怒られるのはこの子にとっても俺にとってもデメリットしかない。コクリと頷き紗倉さくら結奈ゆいなはとても重い足取りで階段を降りていった。本当に申し訳ない。

さて1限目なんだっけ?と気持ちを誤魔化しながら笑い声がする教室の中へと入っていく。

この当たり前の笑い声ですら人を傷つけてしまうんだろうか。

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