第35話

フェネクスside

────触れた。

アーク様が僕の身体に触れ、僕の身体を感じた。

そして、何よりも────

「僕にとびっきりの愛を打ち込んでくれた！ああ、何て最高の日なんだ!!」

目と目があった瞬間、僕は更にアーク様へと堕ちたと確信した。

この身体が確実にアーク様の物になったと自覚した。

ああ、まさか、これ以上アーク様を好きになれるなんて………愛せる様になるなんて思いもしなかった！

「痛い、殴られた所が滅茶苦茶痛い。でも、これがアーク様の愛なんだね。嬉しい、涙が止まらないよ。これでやっと、やっと、僕達は………」

あのクソ上司でも無ければ、僕の同族達でも無く、近くにウロチョロしてる羽虫よりも、あのクソムカつくゴミみたいなクソ聖女以上に────

「僕達は相思相愛になれたんだ♡」

ああ、駄目だ………

────もう、我慢できない。

「は、はは、ははは────」

────これ以上は止められないよ♪

「ははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!!」

笑いが止まらない、嗤いが止められない。

さぁ、盛大に告げよう。

憎たらしくて止まらない、アイツ等に向かって、さぁ!!

「ざまぁ見ろ、アーク様に群がる雌豚どもが!!アーク様はもう、僕の物だ!!」

『聖女になった幼馴染を異世界勇者に寝取られた村人Aな俺、勝手に憑依してきた初代魔王の霊と共に魔王討伐の旅に出る』はこれにて終い。

フェネクスルートというTRUE ENDだ。

続く