第33話 不死身の怪物

第33話


何だ、この話が通じ無さそうな奴は!?


ハーゲンティは別として、グラシャラボラスも変な奴ではあったが、まだ会話できたぞ!?


「う〜ん、僕以外の女の事を考えたね、アーク様!!そんな悪いダーリンはお仕置きだっちゃ!!」


だっちゃ!?


だっちゃって何だよ!?


『昔のヒロインじゃ。大分古い奴じゃの。』


へぇ、そうなのか………


『雷飛ばす奴じゃ。』


怖っ、雷親父ならぬ雷御袋ってか?


────巫山戯てる場合じゃないか。


「お仕置き云々はどうでも良いが、此処は人ん家だぞ。着いて来い、場所を変えるぞ。」


全く、こんなにも短時間でこの町に迷惑をかける羽目になったじゃねぇか………


「木こりさん!!」

「俺は農家だ!!プリズムは其処で待ってろ!!後、あの二人への誤魔化しも頼む!!」

「は、はい!!」


よし、面倒な事をせずに済む!!


『最悪じゃな、お主………』


煩いぞ、魔王。


適材適所って奴だよ、多分。


「むぅ、他の女と会話したのは減点だけど、僕に付き合ってくれるなら良いか。さぁ、何処でデートする気だい?」


うぉっ、速っ!?


羽がある時点で何となく理解わかっていたが、マジで飛べるのかよ!?


見せかけであってくれよ、マジで!!


☆☆☆☆☆


「はぁはぁ、此処なら大丈夫か………」


また、此処か………


グラシャラボラスと戦ってた所に戻って来ちまったな………


「此処でやるのかい?良いねぇ、他の女の臭いが染み付いてる以外は、最高のデート場所殺し合い場所だ。」


デートなんてするつもりはねぇよ。


するなら、ミリスくらいだ。


「さぁ、そろそろ行こうか♪」

「ああ、お望み通りな!!」


不死鳥の一突きフェニックス・インパクト

レイジ・インパクト憤怒の拳


「ふふっ………」

「なっ!?」


俺の拳………当たったよな?


じゃあ、何で当たった感覚がしないんだ?


「良い炎だ。何でも燃やせそうで最高だね♪僕以外なら、どんな奴にも効くと思うよ。」


僕以外………?


「さて、アーク様の攻撃なら受け取った。だから、今度は僕の番だ!!」


不死鳥の一突きフェニックス・インパクト


「────っ!!」


な、何で!?


さっき、受け止めた筈なのに、アイツの拳がどうして俺に届くんだ!?


「がはっ、き、効いた………」


グラシャラボラスの攻撃よりはマシだが、大分身体に響くな、コレ………


しかし、どういう原理だ………?


アイツと違って、攻撃は見えている筈なのに、訳の理解わからなさが同レベルだ。


「もう一回行くよ♪」

「ちっ、考えてる暇はねぇか!!」


不死鳥重撃弾フェニックス・バースト

憤怒徹甲弾レイジ・ディストラクション


「ちっ、またか!!」

「はい、またまたやらせて貰ったよ♪」


ちくしょう、また当たった気がしねぇ!!


何だよ、コレは!?


捉え所のない物に殴ったり、蹴ったりしてる気分だ、ちくしょうが!!


「うん、正解。」


不死鳥重撃弾フェニックス・バースト


「なっ────」


くそっ、またか!!


何で、コイツの攻撃だけ俺に当たるんだよ!!


「────くそっ、何なんだよマジで!!」


魔王、アイツの能力は何だと思う?


『おそらく、おそらくじゃが、アイツの能力は………』

「ふふっ、今必死に僕の事を考えてるね?嬉しい♪最高だよ♪♪だから、ネタばらししてあげちゃうよ♪♪♪」


魔王の話を遮るかの様に、フェネクスが語り出す。


はてさて、どんな能力なんだろうな………


どの道、酷い能力なんだろうが………


「僕は不死身、決して死なない。唯、それだけの能力さ!!」


おいおい、マジかよ………


「勘弁してくれよ、マジで………」


どうしたら、勝てるんだコレ?


続く

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