聖女になった幼馴染を異世界勇者に寝取られた村人Aな俺、勝手に憑依してきた初代魔王の霊と共に魔王討伐の旅に出る

クロスディアⅡ

第1章 原罪の目覚め

第1話 プロローグ

第1話


ある日、世界に赤い光と青い光が落ちてきました。


その赤い光はたった一人の女神となり、この世界の生き物全てを導く存在となりました。


逆に青き光は全てを滅ぼさんとする魔王となり、この世界の生き物全てを害す存在となりました。


両者の戦いは長きに渡って続いていき、幾つもの時代を通り過ぎました。


その戦いは女神が異世界から【勇者】という存在を召喚した事で、一旦終止符を打ちました。


『くっ、忌々しい女神、それに惑わされて組する愚か共め!我は滅びんぞ、何度も、何度でも、其処に■■が在る限り、我は何度でもお前達の前に現れる!!』


勇者に倒された魔王はそう断末魔を叫び、塵となって闇へと消え去りました。


世界は平和になったと、誰もが思った。


────魔王が再び復活するまでは。


☆☆☆☆☆


「で、復活する度に女神様が異世界を勇者様を召喚して皆と共に戦ったんだって!」

「そうなんだ………」

「むぅ、何でそんなに興味なさそうなの!?」

「いや、もう俺達ガキじゃねぇし、何度も聞いたし………」


とある田舎の村に二人の男女が居た。


二人は幼い時から一緒に育った、所謂【幼馴染】という関係だった。


二人の関係は友達から親友、親友から婚約者へと少しずつ変わっていった。


「何回聞いても良い話でしょう!!」

「煩い、勇者マニア。流石に聞き過ぎて、耳がイカれそうなんだよ、コッチは………」

「今の私達があるのは勇者様達のお陰なのよ、別に良いじゃない!!!」

「はぁ、分かったよ。聞いてやるから、1から話せ。」

「うん♪」

「────その可愛い顔は反則だろ。」


二人は仲良く過ごしていた。


二人の仲を村の誰もが認めていたし、良い夫婦になると思っていた。


────この日、彼らが来るまでは。


「お〜い、皆!!王都から騎士様達が来たぞ!!早く出てこい!!!」


これが今回の物語の始まりを告げる言葉だった。


────長きに渡る因縁と怨讐、愛憎、妄執に決着を着ける為に、様々な者達が傷付き、傷つけ合い、成長していく物語の。


続く?

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