燃え滾る熱き魂の英雄伝説

栗無 千代子

000章プロローグ・魂の覚醒

000-00 溢れる魂に年齢は関係ない

21世紀半ば。世界は戦火に包まれていた。各国は既に後戻りも出来ない泥沼に陥り、抜け出す術もない。そして、誰もが諦めかけた日。爆撃機が大国の都市を焼き尽くすために襲撃した。人々は神に縋った。そして、舞い降りた。謎の全身スーツと謎のマスクの推定男が。人々は不謹慎だと怒り狂った。しかし、その者は言った。


「この私の背中を見ろ!」


と。

男は飛び上がり、ビルの上に立つ。そう、30mは飛び上がったのだ。人々はどよめく。そして、全身スーツの男は爆撃機に飛び蹴りをしたのだ。人々は無謀だと叫ぶ暇もなかった。しかし、無謀と叫ぶことは結果的に出来なかった。男は無事で爆撃機が墜落したのだ。人々は何者かと声を上げ始めた。そして、彼は言った。


「私はかの日ノ本の国に学んだ。あり得ないと切り捨てて諦めた幼き頃の憧れを燃える情熱でこの身に宿した。かの国ではこう言う...『中二病』と!!諸君、幼き頃の情熱を思い出せ!幼き頃の憧れを胸に抱け!安心しろ、溢れる魂に年齢など関係ない。何故なら、前例は...34歳の私がいる!」


この日、地球に魔力と言うものが発現した。

この日、電子世界は魔力と結び付いた。

この日、世界に穴が空いた。

そう、この日、全ての常識が覆ったのだ。たった一人のヲタクの想いで。


そして、日本において笑われる対象だった中二病患者。それはたった一瞬で変わる。笑いの声は憧れの声へと変貌した。


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