第11話 ランチタイムシンポジウム
昼休みになると副委員をしている桐谷くんが近づいていきた。後ろに2人ついてきてる。
「風見さん。昼ごはん食べに行きませんか」
「風見で良いよ。同級じゃないか」
「じゃ、改めて、風見、昼食べに行こう」
「おう、さそってくれてありがと、野暮用すませて行くから先に行っててくれ。すぐ追っかけるから」
3人は食堂へ向かって行った。
さて野暮用を済ませるか。その野暮用は俺の机の上で仰向けになっている。
「もうだめぇ。ふんわりし過ぎて昇天しそう」
腰付近が震えていたりする。頬の付近が乾いてきたようだから湿り気を増やしておいた。だいぶ赤みが薄くなってきている。
「昼を食べてくるよ」
「この余韻を楽しんでるから、行ってきな」
食堂へ行き、桐谷らと合流した。今日もカレー。チキンカレーにパンプキンサラダに野菜たっぷりスープで満足でした。
4人でネットの話やテレビのお笑いトーク番組の話で盛り上がっているうちに、
「琴守、遅れて来たよな。何か、あったのかな。実はな、知ってる先輩に『お前のクラスに可愛い子いるだろう。亜麻色の髪を伸ばしている娘』って聞かれたんだよ」
続けて
「どんな娘か教えてくれだって。紹介してくれても良いよだって。自分で告白すれば良いのに」
「確かに可愛いよな。物腰良いし、当たりも柔らかい。体育の時にちらっと見たけどスタイルも良いし、あんな彼女ほしー。俺も誘ってみるかな」
「俺も」
「休み時間に他のクラスの奴らが結構な人数が見に来ているよな」
みんな美鳥は可愛いと言ってくれているのはなんとなく誇らしい。でも、胸にチクっと来るなあ。お兄さん役も難しいものだ。
「風見はどうなんだ。琴守のこと」
直球で聞かれてしまったが肩をすくめて、
「綺麗なのは綺麗だよね。話をしたことないからなぁ。まあ、高嶺の花かなぁ」
適当に答えてしまう。なんか対応が塩だしね。
「あっと噂すれば琴守さん来たよ」
「えっ、どこどこ?」
もう食べ終えたのだろう。他の子達と連れあってすぐ近くを通り食堂を出て行った。
俺たちも食堂を出ることにした。
● ● ● ● ●
◇ ◇ ◇ ◇
お昼ご飯は歩美と小中学の時の友達、ミッチとカンナと一緒に食べた。みんなで友達紹介して、楽しく過ごせました。ニキビで赤くなった頬のことは心配してくれたのだけれど、私の自爆話やら、裏話、黒歴史まで飛び出すものだから抑えるのも大変。
見てなさい、暴露したミッチにカンナ! 今度はあなたたちの恥ずかしく可笑しい話を歩美にぶちまけてあげるんだからね。
「じゃあね」
私はみんなに先に席を立つことを告げる。
「用事?」
「実はね、お話あるからって、お手紙もらっちゃったのよ。行かないと」
「美鳥、可愛いからねー! モテる女の子はたいへんダァね」
「ありがと。歩美も綺麗だから、いずれは通る道なんだよ」
歩美は目を見開き、頬を染めて体をクネクネし出した。
「いやぁ、私でも夢見てよいのかしらー」
「もちろんだよ、女の子は夢を糧に綺麗になっていくんだもん」
「そっ、そう⁈……じゃあ、私も教室に戻るよ」
「「私も」」
帰ろうとした時、お兄ぃ発見。桐谷くんたちとお話ししながら食べていた。会話も微かだけどきこえてきている。
「確かに可愛いよな。物腰良いし、当たりも柔らかい。体育の時にちらっと見たけどスタイルも良いし、あんな彼女ほしー。俺も誘ってみるかな」
男の子も私たちのことで話をしてるんだね。誰のことだろう。私は、お兄ぃになら、いつでも誘われたいな。
「休み時間に他のクラスの奴らが結構な人数が見に来ているよな」
えっ〜そうなのかなぁ。まだクラスの人たちの顔が覚えきれてないから、そんなにきているなんてわからないよ。
「風見はどうなんだ。琴守のこと」
そんな中、桐谷くんがお兄ぃに聞いている。今のことは私のこと? 歩いているのをゆっくりにして、聞き耳を。
「綺麗なのは綺麗だよね。でもまともに話をしたことないからなぁ。わからないや。まあ高嶺の花かな。俺なんかには、勿体無いよ」
何ですとぉ!勿体無い⁈ 誰のために頑張っていると思ってるの、プンプン。
でも綺麗って言ってもらえるのは嬉しいのよね。
ん!話したことないって、あれ? 確か、会話って
ヴぁか=罵倒、何なんですか=侮蔑 笑い物にして=疑惑、あなたはゴミ係=通告。
私はしゃがみ込んでしまった。心の中で慟哭する。
「美鳥?、どうしたの?」
確かに、まともな話をしていない。
「歩美ー、どうしよう?」
「えっなになに?」
涙目で歩美を見ることしか出来なかった。ありがたい事にオロオロしながらも歩美は私を教室まで連れて行ってくれた。
その後、手紙で呼び出された場所に行ったのだけど……。
男女二人が言い争いをしていた。どうやら男が私を2号にしようと粉かけしようとしたらしい。それが今カノにバレて諍いを起こしている。呆れてしまってその場を立ち去りました。
春は新しい恋のはじまりの時期とはいえ、荒れまくっています。
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