第31話 DIYと道具の値段

田舎に暮らすのが大前提になると、DIYはさけて通れない道だ。

山奥に快適な生活環境があるわけではないので、何があっても自分で解決するしかない。

もちろん業者に頼めばすぐにやってくれるが、そんなにお金を使えるのは一部の成功者だけだ。

こっちは落ちぶれて来た身の上なので、出来る事は自分でやるのが当然の流れとなる。


家の周りの雑草や木々はとても成長が早い、油断していると枝が伸び通れなくなる。早速ホームセンターでのこぎりを探し、五百円程で買えた。

あちこちの邪魔な枝を切った、するとすぐに切れ味が悪くなった。

まるでヤスリのようになり、少し削れるだけで切り落とせない。

さすが五百円の、のこぎりだと思った。刃の調整など出来ないので、また買うはめになった。


今度は千五百円の、のこぎりを買った、これはよく切れるし力の入れ具合がしっくりきた。しかし、やはり徐々に切れなくなっていく。

やはり、手入れの仕方を知らないとずっとは使えない物らしい。

しかし雑木はたくさんあり、駐車場にも枝が伸びたり、また冬に雪で倒れてきたりする。

そこで考えた、薪になる木も頂くし今後の事を考えチェーンソーなる物を購入することにした。


安いのは一万円程で買える、しかしのこぎりの経験からそれなりの物を買うことにした。

山仕事をしているご近所さんに相談して購入する。

使い方が全く解らない、どうやらこの道具は素人が簡単に扱える物ではなかったようだ。

仕方がないので、ご近所さんに何度となく教えてもらう。

怪我をしないように使い方を学び、切れなくなってきたらやすりで磨きまたつかえるように成長した。


草刈り機を買ったときはまだ田舎に来たばかりだったので、安い物を買った。

地域の草刈りに出ると「そんなものは使えないだろう」そう言って笑われた。

他の人が持っているのは、いかにも高そうで業務用っぽい。

使っている道具で、その人の腕が解ってしまうようだ。

安い道具は、安いなりの理由があるのだと思った。


プロ用は、やはりこれもそれなりの理由があるし、使う人も選ぶようだ。

私のような中途半端な人間は如何したら良いのだろう。

全ての事をプロ並みになる事は出来ないと思う。

だから餅は餅屋だと言うのだろうが、それにはお金がかかりすぎる。


色々考えると適当にというのが一番難しいようだ。

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