第27話 夏の合宿 午前の練習

選手達が朝ごはんを食べ終え、午前練習に向けて準備をした。

伊沼「練習だるいけど頑張ろうぜ、皆」

一輝「そうだね、頑張ろうか」

敦「あ、みんな。先輩とか他の同期になにか言われても気にするなよ。俺が責任を持つからな」


井宮「敦にカッコつけさせないぜ。俺達も同罪だし同じように怒られるさ」

敦「でも、一輝はなんで宇佐見と走ったんだ?」

一輝「なんでって、仲間が走ってるから一緒に走っただけだよ」

伊沼「そうだぞ、進藤コーチも言ってたけど冗談で10分追加って言ってただけだから止めさせればいいのに」


一輝「でもほっとけない。彼が真剣に自分と向き合ってる気がしてね。それに彼は酷いこともされてるし」

敦「まぁ、そういう理由か。一輝は過去がそうだった分誰かを助けたいって思うのは良いことだな」

伊沼「虐めがなんだってんだ!そんなのぶっ飛ばせ!一輝は強くなる男だからな!!」

4人は笑いあった。


すると、横からボソボソと声が聞こえた。

鴨川「あのぅ、もう午前練習始まるよ...」

伊沼「いっけね!準備してすぐいくぞ!!」

鴨川以外の4人「うし!!」

道具置き場に向かうと一年生が荷物を運び出していた。

4人はそっと荷物を持ち出しグランドに運んだ。


伊沼「お、宇佐見も運んでるやん。とりあえず後で朝のこともそうだし相談に乗ってやろうかな」

一輝「うん、ありがとうね。僕も付き合うよ」

伊沼「おっけ、練習終わりに三人で話し合いだ!!」

井宮「俺もまぜて!!」

敦「おれも忘れてねーか?」


伊沼「よっしゃ、5人で相談会や!!!」

伊沼以外の3人「おう!!」

4人は荷物をそれぞれ持ちグランドに運んだ。

そこにはすでに先輩方も揃っていた。

先輩達「おい、一年!おせーぞ!トロトロするな!!」


一年生「はい!!」

一年生達は急いで荷物を持ってきた。

荷物がどんどんグランドに運ばれていく。

全員が揃ったところで、野太いがらがらの声で「集合!!」と合図が鳴った。

監督「え~、合宿2日目の午前練習ですが午後に2チームに別れて試合をするぞ。ボードに書いてあるチームに別れて午前中はチーム練習や。それでは始め」


選手それぞれがボードを見てチームに別れた。

選手達がそれぞれ話し合いポジションの確認をする。

一輝「敦は別のチームだね」

敦「ああ、でも伊沼が一緒やん。頑張れよ」

一輝「うん!!ありがとう!」


一輝は4番のスクラムの中のロックという役割を任された。

ロックとはスクラムの前三人を支える役目を果たす選手である。

午前中はチームの練習で終わった。


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