第25話 夏の合宿 夜と言えば

選手達は宿屋に戻った。

先輩達が先にお風呂に入り後輩たちは道具の手入れや片付けをした。

そして18時半を過ぎて夕飯を食べた。

もちろん一年生達はお風呂を入る時間が少なくご飯を食べた後に入る約束を敦や伊沼にした。

一年生達は素早く先輩のご飯やお水をよそった。


おかずが綺麗に並べられてとても美味しそうだった。

今日は唐揚げ定食だ。

そして皆が席につき、監督の到着を待った。

進藤コーチと共に監督が現れた。

監督は中央席にどっしりと構え無言になった。


そして一年生が食べる前の挨拶をした。

一年生達「それでは手を合わせて、頂きます!!」

皆が箸に手を伸ばし唐揚げを頬張った。

しかし、一年生達は神経を張り巡らせなきゃいけなかった...

素早く先輩がおかわりを言う前にご飯をよそう。水が空になったらお水を注ぐ。先輩におかずをごねられたら素直に渡す。

これは鉄則だ。そして先輩に気に入られる手段の一つである。


社会に出てもゴマをするのと同じで先輩に気に入られるように努力せねばならない。そうしなければ、仕事は上手くいかないのは本能で分かる人が大半だ。

しかし、一人の男は違った....

一年生の角酒 瞬自、ごう慢な男だ。

その男は自然と何も言わなそうな先輩の隣に座った。

2年生の司馬蒼人先輩だ。

彼は優しくて怒らない。


司馬先輩「悪い、角酒ご飯よそってくれるか」

角酒「え?自分で取りに行けばいいじゃないですか。僕はどれくらい、よそったらいいか分かりません」

司馬「いやいや、先輩の言うことをだな.,.いやなんでもない」

司馬は自分でご飯をよそった。

一年生達の心の声「おい、あいつまじか...」

一輝の心の声「いや予想はしてたけどここまでとは...」

角酒の隣に村雨キャプテンが座っていた。

村雨キャプテン「角酒、お水くんでくれるか」


角酒「先輩の頼みならなんなりと!!ご飯はどうしましょう?あ、いらない?分かりました!」

角酒は人を選ぶタイプだった。

皆はご飯を食べ終え一年生は片付けの手伝いをした。

そして明らかに角酒はほぼなにもやってないのを皆は見てみぬふりをした。


各自が部屋で自由行動になった。

伊沼「しっかし角酒の野郎やべー奴だな」

井宮「まぁ、しょうがないんじゃない?性格はなかなか直らんていうし」

敦「いやいや、でも注意すべきでしょ」

伊沼「まぁ、そんなことより...男の会話しようぜ😏」

井宮「なんだよ、男の会話って」

伊沼「すばり、彼女だよ彼女!気になるだろ!」

一輝「か、彼女かー ビクビク」

伊沼「さては、お前いないな?」


一輝「ば、ばかいえ!いたこと...ある...」

伊沼「ふーん、じゃあ後で詳しく聞くとして井宮!どうぞ」

井宮「ああ、中学の頃から付き合ってる子がいるよ。ほらこの前の写真」

伊沼「おおお!顔はいかついのにやるね!!じゃあ次敦!」

敦「俺はいたことない」

伊沼「うっそーー、一番モテそうにに!これからモテるだろ!じゃあ一輝!」

一輝「ぼ、ぼくは....いたことないです...」

伊沼「だろうと思った笑 いたらビックリするわ笑笑」


一輝「そ、そこまで言うなよ!!バカにするなよ!!!」

部屋が一段と騒がしくなった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る