第13話 鍛練

5月に入った。

一年生も段々練習に慣れていき、いよいよタックル練習が始まった。

ある土曜日の練習の日に行われた。

進藤コーチ「みんなおはよう!今日も1日元気よくやってこう!」

部員達は大きく返事をしてそれぞれがヘッドキャップを被った。

ヘッドキャップは高校ラグビーでは被らなきゃいけないものだ。

大学生、社会人ラグビーになると被らなくてもいいルールがある。

そして口元にマウスピースをはめた。

これは歯が折れないために皆がこぞって着けた。


もちろん試合中もマウスピースはつけるため息苦しくなる。

一年生は歯形がいまいち合わなくてよだれが垂れたり息が苦しくなる事がしばしばある。

監督は後から練習を拝見した。

タックル練習が始まり一年生と高学年でペアを組み基本の形を教える練習だ。


敦は村雨キャプテン、一輝は岡本(2年生)先輩と組んだ。

まずは基本の形から入った。

岡本「まずタックルは重心を低くして右利きなら右肩を相手の左腰につけること。首はしっかり右腰に固定する。そして勢いよく前に倒すこれだけ」

先輩の説明は上手くするすると内容が入ってきた。

岡本先輩に勢いよくタックルした。

しかし抱きつく癖がありどうしても相撲のような組み方をしてしまう。

なんども岡本先輩に注意を受けた。

岡本「何回目だよ、いい加減にしろ」

軽く頭を叩かれた。


一輝「どうしたら、上手くできるんですか?」

岡本「勢いが足りてないのとまだお前怖がってるだろ?」

一輝「あ、確かに。ちょっと怖いです」

岡本「だろ?だから勢いがつかずに頭も上がり姿勢が悪くなる。ラグビーはな怖がってたら怪我するスポーツだ」

岡本先輩は熱心に教えてくれた。


練習は午前中に終わり解散した。

その後に岡本先輩や敦達と残ってタックルの練習をした。

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