第4話 根性

しばらく眺めていたがうたた寝をした。

すると耳元で「そこで何してる」

弱虫はびくっとした。

目の前に敦が目を細めながら睨んでいた。

弱虫「急にごめんなさい!あの時のお礼がしたくて隣町まで...」

ぼそぼそと答えた。


敦「あーあの時の。ひどい有様だったな」

弱虫「うん、だからお礼がしたくて。たまたま君を見つけたから。うん。」

敦「やり返さねーの?悔しくねーの?」

弱虫「悔しい!やり返したい!!だから強くなる秘訣を教えて!!!」

弱虫は強く前にでた。

敦「わかったからそんなに近づくな気持ち悪い」

弱虫「ごめん...」

弱虫はしょんぼりした。


敦「わるい、口が悪かったな。でもやるからには覚悟できてる?」

弱虫「できてる!!なんでもやれる!!!」

敦「ばーか、なんでもやってたらいいように扱われる。自分の必要なことだけやれ」

弱虫「うん!!それでなにをするの?」

敦「お前名前は」

弱虫「僕は丸山一輝(かずき)っていいます。」

丁寧に答えた。

敦「かずきね、わかった。じゃあ早速俺にタックルしてこい。根性試しだ。」

一輝「ええええ、僕弱いから無理だよ!」

敦「いいからかかってこい、強くなりてーんだろ。」


一輝は弱弱しく敦の腰にしがみついた。

敦「ばーかこれじゃ相撲だよ」

一輝は軽々と飛ばされた。

それでもなんども立ち上がり何度も腰にしがみ付いた。

激しく投げ飛ばされ転がりながら顔を擦った。

それでも今までのいじめに比べたら痛くなかった。むしろ心地がいい感じだ。

次第に一輝は笑顔になり力も強くなってきた。


敦の心の声「こいつ次第に力が強くなってる。しかも笑顔だと気持ち悪い」

一輝は超久々の笑顔を作ったためかなり引きつっていた。

敦は簡単に投げ飛ばすことができず全力を振り絞った。

それでも笑顔で向かってくる一輝。少し不気味だ。

しばらく笑顔で猛攻撃は続き疲れ果てたためか足を少し挫いた。

その時、敦のすねに肩がクリーンヒットし綺麗に地面に倒された。


二人は横たわり笑顔で笑いあった。

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