第2話

「ん……」

私は天蓋ベットから起き上がると朝食を作るため長い茶色の髪を結ぶ。この家は私と4人の貴族が住んでいる。しかし使用人はおらず、私が掃除や家事を中心にやっている。最初の頃はまったくできなかったが、4人が教えてくれたり実践をしてくれたからできるようになった。4人は使用人を雇おうか?と私に言ってきたが、無料で住まわせてもらっていて、家族のいない私を拾ってくれた4人にせめての恩返しで私が家事をやっている。




















私はキッチンにつきパンを焼いたり、おかずを作る。ここのキッチンはとても広いが色んなものか揃っていて作りかいがある。カチャ……と扉の開く音がして私を後ろからギュッ抱きしめたのはレイ様だった。

「おはよう……リリー……」

「ちょっと!危ないですよ!」

レイ様は朝はめっぽう弱く髪の毛も暴発してるし、スイッチが入らない。しかしこのオフ感がとても可愛いくて普段クールなレイ様からは想像できない。

「ん〜……」

私の首にスリスリと頬を寄せてとてもくすぐったく、私はこしょばゆかった。

「あ!コラ!レイ!顔洗ってきな!」

レイ様を剥がしたのはドノヴァ様だった。ドノヴァ様は昔からよく私に家事を教えてくれて優しさの塊でしかない。失敗しても怒らないし、成功したときは誰よりも喜んでくれる。レイ様はぼけーっとしながらキッチンを去りドノヴァ様と2人きりになる。

「これ運ぶねー」

「え!ドノヴァ様昨日夜遅くまで働いていたのに……!ゆっくりテーブルで待っててください!!」

「えーやだー」

ドノヴァ様は私が作った食事をテーブルまで持っていってくれた。


















食事を作り終わりテーブルに皿を並べているとベニシオ様が元気よくでてきた。

「おっはよー!リリー!」

ベニシオ様は私に勢いよく抱きつき私は倒れそうになった。すると誰かが私を受け止めてくれた。

「あっぶな!おい!べべ!」

「だからべべって呼ぶな!」

「大丈夫?リリー?」

カリム様は私を見て微笑みながらそう言った。

「あー!ずるい!!」

とドノヴァ様もカリム様も私に抱きついてきた。苦しいけどこの何気ない時間が好き。



















食事をしている間に今日の仕事のスケジュールだったり、遊ぶことをお互いに言い合う。




















15
















4人は昔から外に出てはダメと私にきつく言った

















4人は怒るととても怖い














だから私は外に出なかった。












「そういえば、あと3日でリリーの誕生日だね?」

とドノヴァ様は私に視線を向け言った。

「なにがほしいの?」

とレイ様は私を見て微笑んだ

「なんでもいいんだよ?」

とカリム様は私の隣でニコッと笑いながら言う

「ドレス?それとも髪飾り?」

と迫ってくるベニシオ様

















「私……外に……行ってみたいです……」
















「それは絶対ダメ……」

と4人は声を揃えて言った。



















「私……あの男の子を探したい……」






















「じゃあ……




















俺たちの中で1人リリーの誕生日に結婚を承諾してくれるならいいよ」




















「毎年……言ってるじゃないですか!それは……選べません……















みなさんのことは……家族のようにしか思えません……」

















「リリー、俺たち待てないよ?」
















このときばかり4人のことを怖いとしか思えなかった。

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