第10話 聖女としての勉強?


次の日カーテンから差し込む陽の光に目を覚ましゆっくり起き上がった。軽く伸びをして小さく息を吐けばトントンと軽くドアが叩かれた。私は「どうぞ」と短く告げれば数人のメイドが部屋へ入ってきた。


「おはようございます聖女様。よく眠れましたか?」


「あ……はい。」


「こちら本日のお召し物になります。」


「ありがとうございます」


私はメイドの人から渡された淡い水色のワンピースドレスへ着替え今日一日の予定を教えて貰った。今日一日はこのトロプフェン王国の事についての勉強と他の国の聖女についての勉強をする事になった。暫くしてコンコンと規則正しいノック音が部屋に響き私は「はい……どうぞ」と声をかければガチャリとドアが開けられアイルさんが入ってきた。


「おはようございます聖女様。」


「おはようございますアイルさん」


「朝食を終えられ次第お勉強に移らせて頂きます。国王様方もお待ちですのでこちらにどうぞ」


「は……はい!」


私は頷き彼について行くように歩き始め、大広間へと通された。そこには少し眠たげなフォイユお姉様とお母様。そして国王であるお父様が座っていた。


「おはようアリア。よく眠れた?」


「おはようございますお母様、お父様、お姉様」


「おはようアリア。さぁ座りなさい朝食にしよう」


私は頷きフォイユお姉様の隣に座り運ばれてきた朝食を食べはじめた。


「そういえば……アリア今日の予定は聞いているかい?」


「はいお父様。今日はこの国の事と……あと他の国の聖女様についてのお勉強だと聞いています」


「他の国の聖女と言えば……隣国の炎の国プラーミア共和国の火の聖女に木の国スティルペース王国の花の聖女…!他にも色んな聖女様がいるって聞いた事あるよ」



「そ……そんなに……」


「アリア。大丈夫ですよ。貴女なら出来ますよ」


お母様のその言葉を聞いて私は小さく笑みを浮かべ頷いた。すると時計の音が鳴り響いた。


今日が初めての勉強の日。ちゃんとやれるか分からないけどやるしかない…!


私はお父様達に一礼した後ドアの近くにいたアイルさんに近寄り「よろしくお願いします」と声をかけ勉強をするための部屋へと向かった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る