エピソード30 HOPPER VS EAGLE攻防戦十五

 修行を終え、和也が殺される寸前で現着し、助ける事が出来たリヒト。

 復活して姿が変わる前のキメラ生命体【クロウ】相手に和也とリヒトと一緒にここまで来た桜一文字を守りながら戦っても余裕なくらいの圧倒的実力差でクロウを相手取るリヒト。

 だが初見殺しのクロウの技をクロウの狙い通り食らってしまって先程戦った時にやられてしまった姿になられてしまったリヒト。

 果たして勝つ術はあるのか!

 これから本当の戦いの幕が開ける。


「それじゃあさっき同様な目にあいたまえ!リヒト。」


 と襲い来るキメラ生命体【クロウ】。

 それを先程とは明らかに違いちゃんと目で捕らえ攻撃を受け流すリヒト。


「何度も同じような目に合うかよ。」


 と言いながらクロウの顔部分を殴るリヒト、更におまけにEC刀で一撃浴びせる。

 それを食らい後ろへ押し出されながらものともせずにいた。


「くっ…認めるのは不本意だが貴様明らかに先程戦ったより強くなったな。それは認めてやろう。」

「そりゃどうも。」

「だが、それでも全力に勝てる可能性は先日と変わらんぞ!」

「おいおい、勝手にこっちの全力を決めるなよ。ちゃんとお前への対策や勝算はちゃんと作ってここに来てるんだ。お前がさっきから言っているように現実ってやつで決めようぜ。」

「良いだろう。絶望を見せてやろう。」

「そんなもん見る気もしねぇよ。やっぱ見るなら希望だろ!」


 とやり取りすると嘴の剣が大剣となったキメラ生命体【クロウ】の一振りがリヒトを襲う。

 それをなんとか重い一撃でブースターを使って何とか受け止めて耐える。

 その間にリヒトは自動化に切り替えて最適解の動きを導き出した中に搭載したAIが動きを自動で実践する。

 不意打ちで足に一撃貰いその一撃でバランスを崩したクロウにブースターで体を回転させ、遠心力を乗せた回し蹴りを顔に浴びせるリヒト。

 それにたまらず、怯むクロウ。

 そこに距離を取る為にクロウの胸部にキックをして後ろにそのキックの時反動を使ってクロウの間合いから外れた。

 着地してから自動化を解く。

 クロウが攻撃されて少し苛立つ。


「くそ、コケにしやがって。私の力はこんな物は無いぞ!」


 と言うと自身の体を羽根で覆い、球状になり高速でリヒトに突っ込む。

 早過ぎて対処できず、直撃する。


 先の壁まで叩きつけられるリヒト。


 そして球状から本来の姿に戻り、すぐには動けないであろう、リヒトを大剣を構え襲い掛かるクロウ。

 クロウの読み通りすぐには動けず、数発大剣から放たれる攻撃を受けてしまう。

 満足そうに倒れそうになっているリヒトの体をサッカーボールを蹴るかのように壁に蹴り叩きつける。


「ふっ…どうだ?やはり現実はこうだぞ?リヒト!」


 と満足そうに高らかに言って来るクロウ。


 それを受けてリヒトもこう返す。


「なにこれで勝った気になってるんだよ?まだ戦いは終わってねぇよ!」


 と言って壁から起き上がる。

 それを見て不服そうな反応を見せるクロウ。

 それを気にせず、リヒトはクロウの目の前に堂々と立つ。

 次の瞬間お互い相手に攻撃を仕掛けるがクロウの攻撃はすれすれで交され、リヒトの攻撃はクロウの腹に当たった。

 そのまま壁からの反動も使って顔を思いっきり蹴った。

 その攻撃を受け後ろまで蹴り飛ばされるクロウ。

 蹴り終えると歩きながらリヒトがクロウに対してこう言い放つ。


「もうお前に負けた時の俺じゃないんだ。やられたくなけりゃ真剣に戦えよ。キメラ生命体【クロウ】!」


 これまでの戦い、そして己の今の状況、リヒトから言われた言葉で考えを改まる事にしたクロウ。


「確かに貴様の言う通りだ。リヒト。もう貴様を甘く見積もるのは辞めにしよう。倒すべき一人の存在として相手してやる!」


 と言い放つとさっきまではパワータイプのような力で押し通して戦う動きの構えから少し構えが変わりリヒトと向かい合う。


 少しお互いの動きを伺いながらも互いに至近距離に入り、互いの武器で交え合う。

 どちらも一歩も引かない連撃を仕掛けるが相手にダメージを入れる事は出来きなかったが互いに満足そうな気分で語り合う。


「やればできるじゃねぇか。そいう態度で来いよ。舐められてそれで力を出せずに殺すのは悔しいからな。」

「そうだな。薄々感じてはいたがその事実を受け入れることを認められなかったが本気を出さずにあのままやられるのも不本意だ。だからこそ、これからが本気の戦いだぞ!リヒト。」

「あぁ!どっちが殺すか、殺されるかの戦いだ!」



 と言い終えると高速でお互いに動き互いの隙に対して攻める攻防を繰り広げる。

 この空間は二人の一挙手一投足の動きに左右されているその攻撃で基地の形が変わるほどの威力があるのだから。

その攻撃を互いに受け流したり、捌いたりして一歩も譲らない。

だが最初にクロウが動く。

クロウは和也達にやった時と同じようにカラスの羽根を刃物状に変形させた物を高速でリヒトに対して姿を変え、より速度の威力も数も増えた攻撃をリヒトにする。

それを自動化してこの状況に適した動きをして回避しようとするが数と速さがAIでも対処出来なかったので何発かかすったり当たったりしたが致命傷だけは何とか避けられた。


「くっ…まだこんな手を隠してたとはな。」

「当たり前だ。貴様と私では生きてきた年期と経験が違う。何よりそんなものを使っている人間に過ぎないのだ貴様は!だが私はより戦闘向きに改造され人間であることを捨てたのが最も違う点だ。それに貴様と戦った時はこの形態の通常の戦闘能力しか出していない。」

「あぁ。そうか人間やめて世の中に迷惑をかける害悪になった化け物になった奴にそんな偉そうに人間をバカにはされたくないが。経験値やあの時のお前の実力がって言う部分だけは納得してやるよ。」

「そうか。ここからはジワジワ攻めて殺してやるこの状態で力を出す事にもだんだんなれて来たしな。」

「立ち向かってやるよ。」


とますます戦闘が白熱する。


          

            続




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