第38話 サプライズ準備と耐久動画未公開シーン ②
『スラム国ファイ!オー!!』
『オーー!!』
:おーー!!
:オーー―!!
:WRYYYYYY!!!
:↑なんか進化してんぞwww
:俺が退化させてやる。きえええええ!!!
:↑退化すな
:コメント欄がおもろいわもう
:www
『今日はスメラ嬢と2人で動画を撮りたいと思います。おそらくこの動画が上がるのはサプライズ動画の後になるとは思いますが』
『何よ、初めてじゃないの?私とフィナリアの組み合わせそれで何するの?サプライズって何よ』
『そうですね、さてスメラ嬢、いきなりですが質問です』
『なによ珍しいわね』
『5月23日は何の日かご存じですか?』
『まだ先の話じゃない。知ってるわよ、バカ王女の誕生日でしょう?』
『はい、ということで、これからそのサプライズの準備をしに行こうと思います』
『サプライズ?何よそれ』
『この国では誕生日の日に宴をするという決まりがあるのだそうです』
『その宴がサプライズというものなのかしら?』
『そういうことです』
:ん~?決まり?俺祝ってもらったことないが??www
:↑涙吹けよ(っ´∀`)っ口
:まぁ……そこは家庭事情ですから……
『ということでこれからその会場に行きましょう』
『わかったわ』
画面が切り替わり、大きな部屋が映し出される。
『ここが今回サプライズをする会場です』
『大きな部屋ね』
『あ、2人とも来た?おっけーじゃあこれから飾り付けするよ!』
『どうすればいいでしょうか?おちゃ漬けさん』
『まずこれ【ディア王女誕生日おめでとう】を壁に貼ろうか、この画鋲で張り付けてもいいって許可は下りてるからそこは気にしなくていいよ!』
『わかったわ』
『脚立あるから』
『これは便利ですね、私がつけます』
『じゃあ、フィナリアさん、それ貼り終わったら次、机とかも、フィナリアさんに任せてもいいかな?スメラ嬢はとりあえず私に付いてきて、飾り付けを一緒に作ってほしい』
『ええ、分かったわ』
こうして一旦2人はバラバラになった。
まず最初にフィナリアのシーンが流れる。
フィナリアは脚立に上り黙々と取り付けていた。
のだが……
『またやらかしました……』
フィナリアがカメラのほうに画鋲を見せる。
金色の画鋲なのだが、丸い部分が折れ曲がっているのだ。
:はぁ~相変わらずなパワーなこと
:画鋲って持ち手側折れるもんか?
:↑素手で折ったことないからわからん
:しかも2本指だろ?
:少なくとも握力100は軽く超えてるな
そうしてスメラ嬢にb画面が移り変わる。
スメラ嬢とおちゃ漬けさんは、2人共に横長テーブルに座っていた。
横長テーブルにはたくさんの、事前に切っていたのであろう小さな長方形と、何もいじっていないそのままの折り紙が結構な数準備してある。
『とりあえず、この大きい折り紙のほうで鶴を折ってね。折り方は教えるから。んで、その細長い折り紙でリース作ろうか、周りに飾る用で』
『ええ』
ここからはダイジェストのように様子が交互に流れていく。
まぁ、尺的にもそのくらいしないと結構長い動画になってしまうのだ。
スメラ嬢は、おちゃ漬けに鶴とリースの作り方を教えてもらった後、黙々と作業する様子。
そしてフィナリアが必死に机といすを1人で準備している様子が交互に映る。
:スメラ嬢めっちゃ苦戦してるwww
:折り紙自体初めてなのか
:フィナリアはなんで1人であんな机を運べるんですかねぇ……
:↑ゴリラだから
:↑チンパンジーだから
:↑異世界人だから
:↑チート使ってるから
:↑チート使ってるのは転生人や
:↑いいかい?チートというのは不正をするからチートなんだぜ?
:↑かっこいい
:↑どこが不正してんねんwww
:↑人力チーターっていうのがあってだな……
:↑チートってゲームとかの用語では?
:↑リアルチーターが現れたってだけ
フィナリア:皆さん楽しんでくれてありがとうございます。
:↑フィナリアさんだ!!
:珍しwww
:↑たまに現れるぞ
:一緒に見てるっぽいしな
スメラ令嬢:私もいるわ
ディア王女:私もいるわよ!!結構大変そうね!どんどん私のために尽くしなさい!
:↑草
:めっちゃおるやんwww
:ディア王女wwwここでも王女全開www
:↑だがそこがいい!!
夜亜きらり(カラミア学園3年生):私も手伝いたかったああああ!!
:↑!!!??きらりいるじゃん!!!
:ぅせやんwww
:きらりも毎回見てるなwww
:そういえばコラボおめ!!
猫鎌ヒカリ(カラミア学園3年生):にゃにゃー!私もいるにゃー!!気づいたらコラボ決定してたにゃー!!
:↑コラボ知らなかったのかwww
:誰がコラボというか決定してくれたんだろう……?
フワン・アリーゼ(カラミア学園1年生):いつも見ていますが、やはり面白いですね。
:↑!!??アリーゼお嬢様!!
:やばい!幼い族長がきたぞ!!
:もしやカラミア学園全員見てる説ないか?
:↑絶対にきらりのせいだろ
:きらり伝説?
夜亜きらり(カラミア学園3年生);は?助けてもらった恩人をセ〇〇ス前提に好きになるのは当たり前なんだが?なんだが??君たちフィナリアに好意を持ったらくふふふ……
猫鎌ヒカリ(カラミア学園3年生):また始まったにゃ~きらりのヤンデレにゃ
:きらり性癖歪みまくってて草
:ヤンデレ過ぎて草
奥金美空(カラミア学園4年生):なんや元気な後輩達やなあ。
:4年生きたあああ!!
:美空!!
:やべえええ!
:カラミア学園ほぼ集まってて草
コメント欄はかなり盛り上がっていた。
『さてと!そろそろ締めに行くよー!!』
『疲れたわ』
『スメラ嬢本当にお疲れ様です』
『ええ、そちらも頑張ったのでしょう?』
『私は、机と椅子・後ろの白いやつを設置しただけです』
『最後はこの生け花を設置したら終わりやね』
『ここでいいと思いますが……』
『待ちなさいフィナリア、そこだとディア王女の顔が隠れるわよ』
『確かにそうですね……申し訳ありませんスメラ嬢』
【そうしていろいろ悩んだ結果、結局机の端に2つ置くことになり、カメラの位置を後ろにずらしました】
:テロップ助かる
:ないす!!
そうして画面が変わり、今度は横からフィナリア・ディア王女・スメラ嬢の順で机の前に立っている。
ディア王女はタスキをかけたままだ。
『以上ですべて終わりましたね。お誕生日おめでとうございますディア王女。サプライズいかがでしたか?』
『な……なによ。ずるいじゃない!その……ありがと!2人とも』
『ディアでもそういうこと言えるのね』
『う、うるさいわね!スメラ!私は王女よ!』
『はいはい、そうですか。ディア王女様、では、お誕生日おめでとう』
『う……うう……ずるいわ……もうみんなずるいわ!!うわあああん』
スメラ嬢が優しい笑顔で言ったのがディア王女にも分かったのか……涙が流れていた。
『皆様是非とも良いねとフォローよろしくお願いいたします』
『絶対登録するのよ?』
『グスン……』
『それではお疲れさまでした皆さん。またコラボ動画でお会いしましょう』
:泣いた
:友情信頼ってこういうものだよなあ(´;ω;`)
:めっちゃおもろかったのにいきなり涙出てきたわ
:映画見てたかな?
:めっっちゃよかった!!すごいドッキリ動画やこれ!!
そうして画面は真っ暗になるのだった。
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