第33話 ディア王女へのドッキリ ①
タイトル『ディア王女への感謝を込めて』
:なんだなんだ??
:タイトルに感謝って書いてるけど何するんだろ?
:待機!
:昨日、後編上がったばかりだよな?
:休んで……
『スラム国ーファイ!』
『おー!』
『ということで私スラム国王女使用人兼護衛のフィナリアと』
『上級貴族のスメラよ!』
『はい、ということで今回は2人での動画となります』
:え?2人?
:王女は?
:どういうこと??
:2人で動画?でもディア王女も来るんだよね
『はい、今回は王女さまへのサプライズをしたいと思います』
『あの王女の嬉しそうな顔が目に見えて浮かぶわ!!さぞかし面白い反応するのでしょうね!!』
『楽しそうですね』
『え?あら?』
:心開いてて草
:今絶対素で言っただろwww
:前までは素でも批判してたのになwww
:確かに相当変わったな
:めっちゃ顔真っ赤なスメラ嬢かわゆい
:楽しそうで何よりwww
『今回撮影しているのは5月23日。前回耐久動画を取りまして、その次の日に撮影しています。動画を出すのは耐久動画の後になると思います。それではスメラ嬢様5月23日はディア王女の何の日かわかりますか?』
『神に命を授かってから13年です』
『真面目に答えてください。それ、昨日私と一緒に動画見ましたよね??』
:おいwwww
:わかる人ならわかるやつじゃん
:そのネタ好きよwwww
:使用人と伯爵嬢様が芸人の動画見てるのおもろすぎるやろwww
『あの王女の誕生日でしょう?』
『はいそうです。今日なんとディア王女様が生まれた日なのです!』
『わーい(棒)』
:スメラ嬢適当やなあwww
:表情と声があってないのよwww
『それで今日ですね、いろいろなサプライズをディア王女様に用意しました』
『もちろん私はきいているわよ』
『それでは今回の企画の内容を説明したいと思います』
:サプライズ!いいねえ!
:またぶっ飛んだサプライズにならなきゃいいけど……
:めっちゃ怖いwww
『まず今8時30分なんですけど、これから私は再び家に戻り、新たな撮影場所の下見を動画にするという、偽動画を取り始めます』
『ここがその会場よ』
『皆さんに先お見せしましょう』
フィナリアが横に手をのばす。
カメラはそのちぇを追うように動き……
:やばああ!!
:なんだこれwww
:いつ作ったんだこんなもん
:やばすぎワロタ
そこには、大きく【ディア王女お誕生部おめでとう!】と書いている紙がつるされており、また、その周りにはたくさんの折り紙で作った花が壁一面につけられている。
さらにさらにその下には大きなスクリーン、地面には生け花も置いてある。
:これ全部準備したのかよ!!
:えぐすぎだろwww
:耐久動画の前日?
:1日で準備できるか?
:行けると思うけどな
『一応この動画が上がった後、準備中の動画も上がると思いますので』
『そっちも見なさいよ、頑張ったんだから』
『それでは私はいったん家に戻ってディア王女を連れてきます』
『ええ、待ってるわ』
そうしてカットが入る。
『ディア王女おはようございます』
『うにゅう~なにひょ』
『起きてください』
『うみゅう……』
のっそりと布団から起き上がる。
:寝起きかよ!
:パジャマかわええ
:まさか知らなかったの?
『ディア王女、今日は新しい撮影場所の下見に行くという話でしたよね?』
『にしても早すぎるわよ……』
『いいえ、もう9時30分です』
『な”!?どうして起こしてくれなかったのよ!!私の使用人でしょ!』
『あまりにも気持ちよく眠っていたので』
『すぐ着替えるわ!待ってなさい!』
ディア王女は慌てて部屋を出て行った。
:スラム国のいいところって、こういう何もないOFFの部分もなるべくカット無しに流してくれるの良いよねぇ……
:わかる。おかげでやらせの感じがあまり出てないもんね
:いっそのこと3人で漫才してみたら?
:天然漫才で十分だろ
:www
そうして再びカットが入り、次にはもうディア王女がいつものドレス服を着てカメラに写っていた。
『早くいくわよ!!』
『かしこまりました』
そうしてディア王女とフィナリアは止まっているミニバンに乗り込んだ。
『おちゃ漬けさん、操縦よろしくお願いします』
『いいよ―任せて―』
『ディア王女様これを目に』
『え?何よ!何も見えないじゃない!』
『大丈夫です私がいますから』
『私……王女様に失礼ですわ!!』
『ええ、私にとってこのような行為は、とても……とても気が重いですが……誘拐されたと思ってあきらめてください』
『はあ!?誘拐!?何言ってるのよフィナリア!』
:誘拐は草
:もっと他に言い方あっただろwww
:www
:まぁ何気に誘拐は間違ってはない
:見せるドッキリは基本毎回目隠しするの見るけど、誘拐されたと思ってあきらめろっていうセリフは聞いたことないぞwww
:パワーワードぶっこんできたよな
:ドッキリが物騒なんよwww
そうして映像はミニバンが止まって、ドアが開く様子に切り替わる。
『ここです』
『何も見えないって言ってるでしょ!フィナリア!』
『足元気を付けてください、ディア王女』
『手貸しなさいよ』
『かしこまりました』
そうしてディア王女は、フィナリアに支えられながらゆっくりと車を降りる。
『ここからしばらく歩きます』
『誘拐ってこんなに親切だったかしら』
『そういえばディア王女、前に城の庭で遊んでたら野生のワイバーンに餌だと思われて連れ去られてましたね』
『あれ餌だと思われてましたの!!??』
『そうですね』
『なんでよ!あの時、何者かの意思って言ったじゃないの!フィナリア!嘘ついたの!?』
『餌って言われるの嫌だったでしょう?それにその時あなた大号泣してました。かわいかったです』
『確かにそうですわね……って!大号泣は余計ですわ!!不敬ですわ!死刑ですわぁ!!!』
『私とスメラ嬢の投石でワイバーンを貫いてなかったら……』
『あ~!もういいわよ!!感謝してるわよ!!』
『あ、もうすぐです』
『急に話戻さないでもらえるかしら!!?』
:すごいエピソードで草
:ディア王女餌だと思われたのかwww
:小説とか漫画とかアニメでも餌と間違えられて連れ去られる……いや何個かあるな
:↑城の庭で遊んでる王女はねえだろ
:探したらあるんじゃないか?
:やばすぎるおもろwww
:ストーリーもっと聞きたいな
:なんだかんだ投石でワイバーン貫けるのもやばくね?ワイバーン知らんけど
:↑小型の竜みたいなやつのイメージ、アニメとか漫画だと
:フィナリアの筋力やべえって思ったけど、貫くことができたスメラ嬢もやばい?
:フィナリアが特にやばいだけでスメラ嬢も何ならディア王女もやばそう
:リンゴ潰せるのかやってほしい
:余裕やろ
『着きました。私が合図を出すのでその時に外してください』
フィナリアとディア王女はいよいよ会場前まで歩いてきたのだった。
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