第31話 大型トラック・大型バス・大型トレーラーで24時間生活(中編) ⑧

 現在。所持金、フィナリア7000円・ディア王女9000円・スメラ嬢7800円。


『着いたよー。ディア王女とスメラ嬢起きてー、フィナリアさんは、走ってる中、ずっと腕立てしてたん!?』

『もう着きましたか……』

『もうちょっと……むにゃむにゃ』

『ふああ~』

『ディア王女、起きてください。着きましたよ』

『うみゅみゅ、あら、そう。良く寝たわよ。私』

『見たらわかります。気持ちよさそうに寝ていましたよ』

『さて、3人とも元の場所に戻って~』


ということで再び3人は指定の位置に戻る。

もう慣れたのか、何も言わなくなっていた。


『さて、さっきも話してた通り、試練の時間だよー!!』


:そういえば言ってたな。


:今回は何の試練なのだろうか


:めっちゃ楽しみ


『今回の試練は、『ポーズを合わせよう!意思疎通ポーズゲーム!』

『わー--』


パチパチ


:意思疎通ポーズゲームきたー!!


:結構難易度高いよねこれ


:いや簡単でしょ


:まて、相手わかるのか?


:……確かに


『ルール説明~私がお題を言うからお題に合わせて4人がそのポーズをとるってゲーム。例えば……【勇者】と言ったら勇者がとりそうなポーズをして、3人ポーズが揃ったら成功!一応そろわなくても、10000円渡すけど、1回揃うごとに追加で10000円を渡すからね!』

『なるほど、なんとなくわかりました』

『ちょっと待ちなさいよ!私たちこの世界のこと全く知らないわよ!?』

『バカ王女、それくらい自分で考えなさいよ』

『なんですって!?スメラ!!』

『とりあえずやってみようか!フィナリアさんとスメラ嬢様は限界まで下がってディア王女に見えないようにお願い』


フィナリアは後ろまで下がり、ディア王女はバスの中に入る。

これでディア王女からは見えなくなった。


『これでいいですね、では初めて行きましょう!』


:どんなお題が来るのかめっちゃ気になるwww


:異世界のお題来るんかな?


:おちゃ漬けさんが異世界のことわかるわけないだろ……


:わからんで?V配信者は素性がわからんからな?


:確かに、それはそうだけど……


『お題!【野球選手でホームランを打った時のポーズ!】』

『ややきゅう?』

『なるほどね』

『わかりませんね……想像で行くしか……』


:予想通り誰もわかってねえwww


:大丈夫かこれwww


:どんなポーズをとるのか気になる


:本当よ。


『3・2・1!』


3人はそれぞれポーズを取った。

フィナリアは、両手を広げ足を広げ曲げているポーズ。

ディア王女は、足を蹴り上げているポーズ。

スメラ嬢は、両手を振り回したポーズ。


『えっと……全員一致ならず!』

『ええ!?』

『そもそもこの中に正解はいたの?』

『確実に私ではないですね……すみません』

『えっとね……一応いるね。スメラ嬢が正解』

『私なんだ』

『なんでスメラ嬢なのよ!?』


:草


:フィナリアどう見ても相撲じゃねえかwww


:笑いすぎて腹が痛すぎる


:ディア王女はおそらくサッカーだな


:ゴリラはゴリラの競技をやるんだよ


:なるほどね


:納得するなよ


その後、何回も試そうとするが……

全然合わない。


『ちょっと!?そろそろ合いませんの!?』

『あんたも合わせなさいよ、バカ王女』

『まぁまぁ……喧嘩しないでください』

『結構難しいかぁ~じゃあ、次で最後ね!次は【ディア王女といえば】にしようか』

『しっかり私に合わせなさいよ!!』

『任せてください!使用人の私がディア王女様のことを見間違うはずがありません』

『なんでこんな王女の真似を……』

『なんですって!?』

『はい!はい!行くよ!!3、2、1』


3人はそれぞれ手を前に突き出し顔は険しく、何かを指示しているポーズをした。

完全一致である。


:草


:さすがよくわかってらっしゃる2人www


:ディア王女もよくこのポーズしたな


:確かに、さては……ディア王女全部読んでたな!?


:絶対心の中悔しがってるwww


:なんでこれでそろうのよー!!てきな?


『完全一致!!』

『やったわよ!』

『はい!やりましたね!』

『はぁ……ディア王女と言ったらこの姿しかないでしょ』

『……ふふん!この私のことをよくわかっているじゃない!』

『じゃあ仲間ボーナスとしてもう10000円追加で渡そうかな!てことで3人に30000円渡すよ!』

『感謝するわよ!』


所持金、フィナリア37000円・ディア王女39000円・スメラ嬢37800円。


:なかなか僅差で草


:それな?


:まぁ……これで何が買えるかといえば……


そうして場面が変わり。


【次回・ついに24時間耐久動画、後編!フィナリア・ディア王女・スメラ嬢は無事生き残ろことができるのだろうか!】


と言うテロップが流れた。


:まじか!!もう終わりか!中編長かったなぁ


:いよいよ後半!めちゃ楽しみ


:脱落者出るんかな?なんだかんだ野宿とかしたことあるんじゃね?


:わかる。地面とかで寝たことありそうだよね。脱落するなら王女かな?


:王女は無理にでも脱落はしないだろうなぁ……性格的に


:とりあえず、後半楽しもうぜ!


このチャットを最後に中編の動画は終了したのだった。


『フィナリアさん。後半の編集大丈夫?』


私がパソコンを触っていると、後ろの扉が開きみさきが入ってくる。

まぁ、本来の私ならば、結構すぐに終わっているので、若干心配になったようだ。


『はい、一応大丈夫です。ただ……若干暇になってきました』

『めっちゃわかるそれ!何もやりたくないことあるよね!』

『そうですね……ですが、ディア王女もスメラ嬢も後からかなり見返しているので、早く投稿しないといけませんから』

『あまり無理はあかんよ』

『みさきさん、ありがとうございます』


私はそのままひたすら作業を続けるのだった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

異世界王女と使用人、毒舌令嬢を連れて日本に転移する。ただ、よく分からないので動画配信やライブ配信で生活したいと思います。 蜂鳥タイト @hatidori_taito

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ