第13話 夜亜きらりと猫鎌ヒカリのコラボ生配信①
飲食店の動画を投稿してから約2日後。
私は夜亜きらりと猫鎌ヒカリに興味を持っていた。
「何見てるのーー?」
みさきさんが私のパソコンの画面をのぞき込んでくる。
「あ、みさきさん、今回はこの2人がちょっと気になって」
私は画面に指を当てながら、みさきさんの方を向く。
「ふむふむ……あっ! きらるんとひかるんじゃん!」
予想通りの反応である。
やはり相当有名の2人らしい。
「やはり知っているのですか?」
私は一応聞いてみることにする。
「当たり前じゃん! 何々?? Vライバーに 興味出てきた??」
「というよりも、前回のチャットに来てくださいまして……」
一応前回のチャットをみさきさんに見せる。
「え!? それはやばいって」
反応的には相当ヤバいらしい。
2人の事はちゃんと登録はしておいた。
どうやらこれから生放送があるらしい。
せっかくの機会なので覗いていくことにする。
【夜亜きらりの雑談!コラボするよー!】
「お、始まりましたか」
『みんなー! こんキラ~☆カラミア学園3年、夜空からやってきた女神! バーチャルライバーの
夜亜きらりと名乗ったその人は、全身が青色のドレスで、白色の斑点の模様が描かれていた。
手には槍のようなものを持っている。
『こんにちはー、クリミア学年3年、猫が大好き過ぎて、生まれてしまった猫の妖精、
猫鎌ヒカリと名乗ったその人は、髪色が黄色と黒に分かれている。
この世界でいうならば三毛猫? みたいな色だ。
服装はというと、オレンジ色の着物に黒い帯、また着物には黒色の斑点がちょこちょこついていた。
チャット
:キター!!
:やはりこのコラボwww
:大体このコラボだとは予想ついていたwww
『さて、さっそくだけど! 今回私たちがする企画は……新人ライバーさんをレビュー出来るだけ沢山しよう! 第10弾!』
夜亜きらりが、両手で10を表現しているようだ。
『いつも通り事前に許可は得ているにゃよ! 皆もどんどん見てあげてくださいにゃん! ちなみにライバーはVライバーとは限らないにゃよ!』
チャット
:新人ライバー発掘大会キター!!
:この企画案外面白いんよなwww
:地雷もたまにいるからねぇ
:この2人もある意味地雷だろ
:確かに
:確かにな
:分かってしまうのが悔しい
『なんかコメント欄が誤解にあふれているようだけど1人目行くよー!! まず1人目は……【
と画像が張り出される。
服装は黄緑色の上着に黒色のズボン、さらにその上には上着から繋がっているのか。短くギザギザしたスカートのような服を着ている。
私の世界でいうとエルフみたいな衣装に似ている気もする。
『個人Vライバーの1人にゃね! なかなか個性強かったにゃぁ……』
『私もあの自己紹介にびっくりしましたね……』
チャット
:初っ端この人かwww
:だれ?
:切り抜きやけど、初っ端から、酒飲んでべろんべろんになった人
:やばすぎワロタ
:あの切り抜きなかなか面白かったよwww本家見ずに終わったけど
:ギャップがな
『それではその自己紹介を実際に見てみよう!』
『いくにゃー!』
〈えー、皆様本日は私のVライバーデビュー自己紹介に来ていただき、とても嬉しく思います。私は世界樹に導かれてやってきた青山花林と申します〉
夜亜きらり側チャット
:めっちゃおしとやかじゃねえか
:声も可愛い
:思っていたよりも普通なのでは?
:やべー女って聞いたけど、デマか?
〈それではみなさん! 一緒に乾杯しましょう! ビール持ちましたか? カンパーイ!〉
:いきなりビールかよ!可愛いけど!
:草
:まぁ、まだましな方だから……
:乾杯にビールは普通じゃね?
〈ごくごく……プファー!! やっぱりビールはうまい! あ、ビールは美味しいですね〉
:もう既にキャラ壊れて草
:キャラ崩壊速すぎだろwww
:言い直したwww
:無駄なんだよなあ……
:待ってめっちゃビール開けるやんけwww
:これは酔い道、直行だな
そうして5本目を開けたとさ。
〈なんら~? 君たち~私が酔うわけないら~〉
:なんかかわいい
:ガチで酔ってるじゃねえか!!
:酔い方アニメキャラで草
:こんな酔い方する人、ほんまにいるんかwww
〈みんら~これからよろしくら~それじゃあこのまま質問箱をよんでいくら~〉
:このままいくんかwww
:新鮮過ぎて笑うわ
:まて、設定上だと16歳じゃなかったか?
:は?
:ほんまや!!
:やらかしてんねえwww
〈まずいっこめら~【はじめての気持ちを教えてください】って来てたら~。初めての気持ちは……とにかく頑張る! ってことだけら~〉
:無駄に読む部分だけ活舌よくなるの草
:ん? これ本当に酔ってるのか?
:声がめっちゃ酔ってる
〈次は2個めら~【正直にお願いします。Vライバーにデビューしたら付き合ってくれますか?】絶対イヤら~私は皆のライバーら~〉
:いきなり告白からの即答拒否は草
:www
『こういう恋愛告白質問、私全然来ないんだけど!』
『きらり、女として認識されてないにゃ~』
『嘘でしょ!? 体差しだそうか!?』
きらりが画面で左右に振れている。
ヒカリは、表情こそわからないが、多分引いているんだろう的な感じで顔が横に動いている。
『私のコラボ相手がやばいにゃ』
:おいコラwww
:そういえば、きらりもこういう感じだったわwww
:酒無し変〇のきらりと、酒乱の新人Vライバーの青山花林
:前者がやべえよwww
:やはりきらり超えは出ないか……
〈次ラスト質問ら~【もしもコラボ出来るならば誰とコラボしたいですか?】私は夜亜きらりさんとコラボしたいと考えているら~。理由は私と似てそうだから~。これで全部読み終えたら~みんら~ありがとら~〉
『全然違うでしょ!? 私、初配信でお酒飲まないよ!? 私、こんなやばい!? ただ百合でスコスコして抱き着いてるだけだけど!?』
『このコメント欄に警察の方はいるにゃ? 私、身の危険を感じたにゃ』
:危険人物扱いされてて草
:どう見ても危険人物で笑うわwww
:どうしてカラミア学園はやばい変〇が多いのか
:猫鎌ヒカリはまだまとも枠?
:唯一のまとも枠だな
〈それではみなさん! これで配信は終わりたいと思います。本日は私の初配信に来てくださりありがとうございました! これからもどんどん投稿するのでよろしくお願いします!〉
2人はそのまま動画を閉じるのだった。
チャット
:全く酔ってなくて草
:今見てきたわ、概要欄に演技って書いてる。飲んでたのはコーラやって
:演技バカうますぎひん?
:酔ってると思った……
:気になる! あとで登録しとこ!
『どうやらコメント見る限り演技らしいにゃ』
『は!? 私より演技がうまい人なんているの!?』
『普通に私はビール飲んで酔っ払ったように思えたにゃ』
『まぁ、確かに……そ、そんなことより次行きましょう!』
確かに私も普通に演技とは気が付かなかった。
そんなことを考えているうちに、2人は次なる紹介へと移る。
気付いたら、私は無言で動画を見続けているのだった。
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