【14】終末世界と砂糖菓子(汐海有真(白木犀)) 読みながら感想
【14】終末世界と砂糖菓子(汐海有真(白木犀))
https://kakuyomu.jp/works/16818093085117029515
こんばんは、梶野です。
最近イチオシの少女漫画は「婚約者は溺愛のふり」(仲野みえこ)です。イケメンが振り回される話がツボのようです。
さて、十四番目の参加者は汐海有真さん。
作品は「終末世界と砂糖菓子」です。
汐海さんは初回から参加されてる方で、数少ない皆勤賞です。その間、こまめにコンテストに応募されたり、結果を出したりしてるのをフォロー通知で見聞きしています。私自身はコンテストに興味がおりませんが、フットワークが軽く、何にでも気軽に挑戦できる点が強みかと。参加作品もジャンルが毎回違うあたりが、汐海さんらしいところ。
今年の参加作のジャンルはホラー。
私もここ一年はホラーメインで書いていたので、下手くそなりに感想が書きやすそうです。
そんな汐海さんの参加コメントはこちら。
────────────────
梶野さんこんばんは〜!!! 今年も開催うれしいです!!! ぜひ参加させてください(*´∀`*)✨
・作品名
『終末世界と砂糖菓子』
・特に意見が聞きたい部分。
ぱっと思い付かないので、おまかせでお願いします〜!!
・「梶野ならこう書く」具体的なアドバイスが欲しいか。
ありましたらいただきたいです!!
・学生(中高生以下)かどうか。オブラート増量します。
学生ではないです〜!!
よろしくお願いします〜\\\\٩( 'ω' )و ////
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去年は結構ボロカス評価したはずですが、それでも参加してくるその意気やよし。
果たして雪辱果たせるか、読ませていただきましょう。
これより「じっくり感想」を始めます。
⬜️読みながら感想
二読後の感想を、読みながら書きます。
>――――この世界には、悲しいことが多すぎる。
ダッシュ(―)は二つまで。
あえて増やす必要性も効果も感じられません。
>今日も罪のない人間が沢山苦しめられて、沢山奪われて、沢山殺された。
「沢山」は普通「たくさん」と開いて使います。
女子高生の一人称なら、なおさらそちらの方が相応しいはず。
>わたしの住んでいる国はそこそこ平和だけれど
「沢山」もそうですが「そこそこ」も感覚的過ぎて、青臭さと視野の狭さが先に立ちます。まあ学生らしいとも言えますが。
>わたしは今日も放課後の高校の屋上でひとり、スマートフォンで遠くの国の戦争のニュースを見つめていた。胸が締め付けられて、胃の辺りがきゅうっと痛んだ。悲しみを直視することはやっぱり辛くて、でもわたしはそれを日々自分に課している。
リアル悲劇として楽しんでる感を強く感じますが、これは意図的かも。
>わたしは心のどこかで、いつか世界を救いたいと思っていた。
具体性がないあたり、学生のリアリティはあるかも。
>そんな人間が世界を救える訳ないって皆言うだろうし
いや、そんな才能があっても無理だと思いますよ。
だって歴史上、それを成し遂げた人は誰もいないんですから。
>ただ、誰もが笑顔で生きていけるような世界があってほしいと望むことは、許されないだろうか。
「かみ、さま…………」
カルト宗教に騙されそうなタイプ。
>地面にまで届く長い髪も、何故か六つある瞳も、着ている服も、数え切れないほどある手足も、全部真っ白だった。背丈はわたしの二倍くらいあった。
なんか色々混ざってますが、悪くない設定と描写だです。
>そうですよ、わたしは、とてもよい、かみさまです」
秒で詐欺師とわかる台詞、
>わたしはばっと屋上を見渡した。他の生徒は誰もかみさまに興味を示すことなく、楽しそうに談笑したり、本のページを捲ったりしていた。
この手のタイプは人気のない場所で思索するものかと思っていましたが。というか屋上が開放されてる学校、珍しいですね。
>わたしはゆっくりと、呼吸を繰り返す。そうしていると、少しずつ頭が冷えていった。
>そしてようやく、気が付いた。
>わたしは今……絶好の機会を、与えられているのではないかと。
冷えてない。全然冷えてない。
>余りの嬉しさに、口角が歪む。わたしの存在は、このときのためにあったのだと思った。
流石にもう少し疑うべきでは?
>赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤
アリよりのナシ。
アクションものならアリですが、ホラーですしね。
>広がる町は至るところが赤くなっている。空だけが今までと変わらず、どうしようもなく澄み渡っていた。
ここの「どうしようもなく」は単にカッコつけてるだけで、何の意味もない「どうしようもない」やつです。
>「あなたいがいのせいぶつを、すべてころしました、これで、せかいに、へいわがもたらされました」
悪意による捻じ曲げ解釈。「三つの願い」ものの定番ですね。まあ普通は悪魔がやるやつですが。
平和には「戦いや争いがない」以外にも「穏やかな状態」が含まれるので、どうみても平和はもたらされてないですが、この手のヤカラには言っても無駄ですしねえ。
せめて血を残したりせず、綺麗さっぱり生物消滅させていれば平和と強弁も出来るんですが。
>かみさまは微笑んだ。不気味なほどに柔らかい微笑みだった。
「柔らかい」はイマイチ。強調されている白さを押し出す方がよいのでは。私なら、
[かみさまは微笑んだ。不気味なほどにまっしろな微笑みだった。]
>空は何も変わらない。かみさまも、何も、変わらない。
ここの描写は要らないと思います。最初から変化ないので、あえて強調する意味もありません。私なら、
[世界は当たり前のようにそこにあり、神さまも当たり前の顔でそこにいる。]ですかね。
>わからない。
>かみさまの価値観がわからない。
普通なら対話から始めるものですが、これだけ悪意プンプンだと無駄そうですしねえ。
>「…………平凡な、ショートケーキを、ください」
えっ、なんでケーキ?
……この期に及んで食欲とか覚えるタイミングじゃないですよね。なんでこれになりました?
何かすごい意味合いがあるのかと考えてみましたが、何も浮かびませんでした……マジで何故?
>わたしの両手の上には平凡なショートケーキが置かれていた。
多分切り分けられたショートケーキのことだと思いますが、他のケーキ同様、ショートケーキにもホールケーキ(切り分け前)はあります。
まあ最初に浮かぶイメージは切り分けたものなのでこれはよしとして、「平凡なショートケーキ」って、こちらの方がかみさまが迷いそうです。果物はいちごかメロンかフルーツ盛り合わせなのか。日本人基準の平均なのか国際的なのか。世界的に見るとショートケーキも様々あるようですし。
>苺が人肉だったり、生クリームが人骨だったり、スポンジが皮膚だったり、そういうこともまるでない、極めて平凡なショートケーキだった。
それより皿やフォークがなさそうなことが気になります。
>捨ててしまいたかったけれど怖くてできなかった。
むしろ私なら怖くて喉を通らないと思います、そんなもん。
>わたしは他の生徒たちに背を向けるようにして、ぼたぼたと涙を零しながらそれを食べた。
そこまでしなくても、かみさまももう消えてるんだし。これが目の前でかみさまが見張ってたら、このリアクションもわかるんですが。
……あれ、もう終わり? オチは?
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