【26】夏、君を待つ(なべねこ) 読みながら感想
【26】夏、君を待つ(なべねこ)
https://kakuyomu.jp/works/16817330664014785881
いよいよ企画も終わりかと思っていましたが、まだ参加者がおられました。
二十六回はなべねこさんの作品、「夏、君を待つ」です。
ジャンルは現代ファンタジー。
ざっくり読んだところでは、ジュブナイル寄りな感じですね。
なべねこさんのアンケート回答はこちら。
初めまして、なべねこと申します。感想をいただきたく、『夏、君を待つ』で、企画への参加を希望します。
・特に意見が欲しい部分。
推敲できる部分があれば教えていただきたいです。
キャラクターの魅力があるか、ないならその出し方についてのアドバイスをいただきたいです。
・「梶野ならこう書く」アドバイスは必要か否か。
ぜひお願いします。
手続きに不備があれば申し訳ございません。
小説を書き始めてまだ少ししかたっていないため、ぜひご意見いただけるとうれしいです。よろしくお願いします。
ふむふむ。小説初心者の方なんですね。
これはオブラートマシマシの方向でいきますか。
指摘希望は推敲とキャラクターの魅力、と。
了解です。それではさっそく感想に移りましょう。
⬜️読みながら感想
二読後の感想を、読みながら書きます。
>「来栖、今年の夏はどこに行くんだ?」
>「去年と同じだよ。ボクを待ってくれてる人がいるからね」
> 尋ねてきた者はポカンと頭の上にはてなを浮かべていた。
この答えに何故ポカンとするのか、よくわかりません。
私だったら「現地で恋人でもできた?」とか思います。
そこまで突拍子もない話でもないですし。
私が書くとしたら、聞き方を変えると思います。
「来栖、今年の夏はどこに行くんだ?」
「日本だよ」
「また日本? 同じ国ばかりで飽きないか?」
「いいんだよ」
そりゃ、わかんないよね。だってこれは。
「だってこれは、ボクらの約束だから」
みたいな。
あと、ここは回想で次から本編に入るので、空行は一行でなく二行入れるべきです。もしくはマークなどを挟むか。場面転換はわかりやすく伝えた方が読みやすくなります。
>今日から一週間、ボクはここで夏を過ごす。暑すぎて死にそうなので、まずは公園で水をもらおう。
この書き方で始まると、来日した直後のようです。
それなのに公園の場面に続くので、「来日してすぐに、何故公園へ?」と疑問が湧きます。普通はもっと他に寄るでしょう。まともな社会人なら公園で水を飲まないでしょうし。
まあまともという部分は、後に出てくる来栖の正体で多少緩和されるのですが、読者的には違和感を抱えての読み始めになるので、いい出だしとは思えません。
>この国の水はおいしいんだなぁ。
外国人であることが確定しますが、すると何故、名前が日本名なのか気になります。
>「えっと、ボクは来栖。今日から一週間だけ、ここらへんで暮らすんだぁ。で、何の本読んでるの? 君の名前は? 趣味は?」
「ここらへんで暮らす」て、公園でってことです?
初対面でこの自己紹介をされて、気を許す相手が早々いるとは思えません。怪しさ大爆発です。私ならまず高校生に突っ込ませます。
というか、何故こんなに高校生に食いついてるのか。かっこいいから、だけでは理由に欠けるかと。
>「で、ボクの質問にも答えてくれる?」
この書き方だと、来栖が先に質問に答えたようですが、そんなことはないはずです。
>「えーっと、俺は玲央です。この本は、なんか外国語のタイトルなんで、ちょっと読めないんすけどおもしろいですよ……あとなんでしたっけ」
初対面で名乗るなら、普通は苗字からですね。
フルネームで名乗り、勝手に玲央呼びする方が現実的ではあります。
洋書なら別ですが、タイトルが読めない本ってまずない気がします。ルビなり読み方なり併記されているのが普通かと。
もしくはこの高校生が極端に英語に弱いとかかもですが、そんな人がタイトルの読めない本に手を出すかというと、別の疑問が。
というか何の疑いもなく答えるのは、素直過ぎて逆に怖いです。
>ちょっと待って。読んでる本のタイトルくらい調べろよっ。そう言いたいけど、今は黙っとこ。
むしろ、あけすけに突っ込んで、会話を膨らませる方がいいですね。
何故、タイトルも読めない本を選んだのかとか、来栖ならタイトルを読めるのでは、とか。キャラの描写にもつながります。
>「つまんないからですよ。勉強はある程度できるし、テストだけちゃんと受ければいいので」
出席日数って、今の高校にはないんですかね?
>頭いいのかな。うらやましい。ん、ちょい待ち。
そもそも来栖は何歳くらいなんですかね?
口調見るに子供か高校生くらいまでって印象ですが。
でもさっき、「同僚が」って言ってましたよね。
社会人だとすると、童顔なおっさんてイメージです。
>「ドイツ語かなんかのタイトルなんで」
英語でなければなおさら読みがつくかと。売上に響きますから。
>あ、なるほど。ボクとは住む世界が違うなぁ。
「来栖はドイツ語が読めない=どこの国から来たのか」
の情報を出すべきタイミング。
>「なるほどね。玲央さ、君かっこいいから彼女の一人や二人くらいはいるんじゃないの?」
話がぽんぽん飛びますね。
>「まぁ、モテなくはないですね。でも、知らない人が声かけてくるとかいうの、怖いじゃないですか。
今まさにその状況だと思いますが、怖がってる風に見えません。
>俺は向こうのこと何にも知らないし。だから彼女なんていませんし、作ったこともないですよ」
恋愛の全てがナンパで始まるわけでなし。
女友達からつきあう展開の方が普通では。かっこいいなら女友達ができないわけでもないでしょうし。
>ボクでもさすがに知らない人には声かけたことなんてないし。
これはギャグで言ってるんですかね?
>「ボク? あ、この髪の毛か。確かに人間っぽくはないよね、青いし」
最初に突っ込みそうなものですが、まあ相手の外見について偏見はよくないですからね。あえて黙ってたのかも。
>すごい。目までこんなに短い時間で気付く人は初めてだ。
> そう、ボクの目は金色で、髪の毛は薄めの青。
>「えへへっ。こんなに気付いてくれる人は初めてでうれしいな」
見たら普通気付くと思います。金の瞳とか。
>これは生まれつきだし、ボクは違和感とかないけど、黒髪黒目の人から見たらびっくりするよね。
文頭1マス下げが抜けています。
>「結局人間なんですか?」
普通の高校生なら、まず髪染めとカラコンを疑うかと。
それ以前に、来栖の外見描写がここまで髪と目の色しか出ておらず、そこ以外は人間ぽいのかどうかすらわかりません。
なので「実は人間じゃない」と言われても「ふーん」という感じです。
>「どう思う? 玲央、当ててみてよ」
>「え……人間、じゃ、ないと思います」
>「ご明察」
ここで謎を引っ張らず、あっさりバラすのは正解だと思います。
高校生のテンション的にも。
>「ボクの名前は、さっきも言ったけど来栖。でもって人間じゃない。ボクは遠い遠い雪国から来た、この国でいう精霊みたいなやつだよ。この国に避暑する人がいるように、ボクも寒さから逃げてきたってわけ」
>「なるほど。避寒みたいな感じですか」
この台詞で突っ込むところ、そこ?
というか、精霊が寒さを避ける必要ってあるんですかね。
まあ春や夏の精霊とかならあるのかもですが……
そもそも精霊の意味自体がふわっふわですけど。
というか、雪国の精霊が日本の夏に来るって、そっちのが拷問の気がしますが。せめて春か秋にすればいいのに。
>「それにしては一週間っていうのは短くないですか?」
ここは読者も疑問に思っていたので、ナイス突っ込み。
>「体感が違うんだよね。ここでいう一週間は、ボクの国でいう一か月だから」
>「不思議、ですね」
こういう説明をするなら、「ボクの国」でなく「ボクの世界」にした方が理解が早いかと。「遠い国」でなく「遠い世界」なら、色々納得も出来ます。
>「それでね玲央、いつもはボク、仕事ですっごーく疲れてるんだけど、せっかく来たからには遊びたいんだよね。なんかおすすめの場所に連れてってよ」
話の展開急すぎますが、「精霊だから」と言われればしょうがない気もしてくる。
> 玲央が口をぽかんと開けてこっちを見てるのは、すごくおもしろかった。
まあ、この反応はわかります。
しかし普通なら、こんな得体のしれない人物につきあわないでしょうね。人つきあいが嫌いそうな玲央ならなおさら。そこが何故埋まるに至ったのか、その点の描写は欲しいところです。
>第2話
>「すっごーい! こんなにきれいな景色初めて見たよ! 緑も多いし、海も見えるし、いいところだね!」
台詞なので詳細までは言いませんが、もうちょっと読者が想像して共感できるような景観描写が欲しいところ。
私なら「高台からの風景」とか、わかりやすい場所にします。
>ボクは生まれて初めて見る、雪のない景色への感動に浸っていた。
えっ、年中雪国なんですか?
それ避寒の意味あります? 一ヵ月でも足りないような。
>ここは玲央が連れてきてくれた広い公園。
公園から広い公園に移っても変化に欠けます。
舞台変化は視覚的に読者に訴えるので、もっと違いを出す意識を。
>ボクは感動と興奮により、テンションはマックスだった。
登場時から大差ない気がします。
>「じゃあさじゃあさ、明日は遊園地に行きたいんだけど!」
玲央はそろそろキレていいと思う。
>「それならいいですけど、なんでそこまでして俺と行きたいんですか?」
>「え。楽しいからかな。玲央おもしろいし」
> 今日だってボクが聞いたこととかには全部しっかり答えてくれるし、何よりしゃべってて楽しい。
この説明を見ても、玲央の何が面白いのか伝わりません。
大半は来栖の主観ですし、無理やりつきあわされていても、返答くらいはしそうですし。「つきあいがいい」くらいしか情報がないです。
本来は公園で遊ぶエピソードを省略せず、何か一つでも二人のやりとりや距離が近づく場面を描いて、来栖の台詞と玲央の心情に読者が共感できるようにすべきです。
>「そうですか。楽しいなら、良かったです」
ここら辺の返事も、普通すぎてよくわかりません。
人嫌いな性格だったはずですが、何故こうも素直なのかと。
> この時、ボクは全然気づいてなんかなかった。一度仲良くなったとき、そこを離れるのが、どんなにもつらいことか。
そこまでの関係性とは思えないので、共感が追いつきません。
恋愛感情があるとかならまだしも。
>次の日、ボクたちは水族館に行った。その次の日は、玲央が嫌がっていたけど、最後にはいいよって言ってくれた遊園地……。ボクが自分の国に戻るまでの一週間、本当に遊び尽くした。遊園地に水族館、おいしいグルメや映画、それにかわいい服も買ったし、玲央からおもしろい話もたくさん聞いた。
お金は来栖が出してるんですかね。
>この一週間で、玲央はボクに結構心を開いてくれたと思う。自分から話しかけてくれることも増えた。
ここら辺も、何かしらその兆しが感じられるエピソードが一つくらい欲しいところ。
今の時点では、
・来栖:玲央を振り回し、観光しまくっている。
・玲央:何故か来栖につきあっている。
なので、そもそも何故そこまで来栖に付き合うのか、玲央の気持ちが伝わらないので。お人よしな性格とかのキャラならわかるんですがね。
>第3話
>公園とはいっても、あそこはただの公園ではない。
公園が二つ出てくるので、ちょっとややこしいかも。
まあ「連れて行ってくれた」とあるので大丈夫ですかね。
「ただの」でないのは、思い出深いからでしょうか。
>「俺、この一週間ほんとに楽しかったです。学校に行ってない分、人としゃべる機会なんかめったにないし。だからっ」
> そこで玲央は顔を上げた。
>「だからまだ、ここにいてほしい……っ!」
何故、ここまで入れ込んでるのかも謎ですが、男同士の友情でこのやりとりは過剰に過ぎる気がします。
恋愛ならともかく、男同士はもっとサバサバしたものです。
間違っても「ここにいて欲しい」とか言いません。
というか、学校行けば?
>時間というのは残酷だ。
>時に絆をも引き離す。
この場合、残酷なのは空間=距離ですね。
時間関係ないです。
>「でも、」
ここを独立させる意味はないと思います。
そこまで劇的な場面でもなく、効果も薄いので。
>こんなに玲央がボクと一緒にいたいって思ってるとは、気づかなかったな。
文頭一マス下げを忘れています。
>「でも、また来年、絶対ここに来るよ。その時にまた、」
意図してやってるとは思いますが、読点で切るのは違和感が先に立ちます。私なら「その時に……」とします。
>最初から別れが来るなんてわかってた。それでいて、こんなに楽しく過ごしてしまった。思い出を作ってしまった。
そりゃそうだ、としか。
> 玲央、本当にごめん。それから、
ここの読点切りはOKです。
>「はい。絶対来てくださいね。俺、待ってますから」
いったい何があって、こんなワンコみたいな彼になったのか。
>俺は待っている人がいる。
「俺には」。
あとこの文章の前は、一話と同じで二行開けかマークにした方がいいです。
>もう、その季節になった。俺はよく行く景色がきれいな公園に向かう。
ちょっともたついた文章。私なら、
「夏が来て、俺はあの公園に向かう。」
>待ち合わせしたわけじゃない。でもなんとなく、わかる気がした。
広い公園という話なので、ちょっと違和感。
スポットを特定しておいた方が説得力が出るかと。
もしくは最初に話しかけられたベンチとかの方が。
それなら「どこに行く?」も自然ですし。
>「今日はね、この公園見たい! 案内してくれる?」
もう案内いらないでしょ。
> ずっと、この時間が、続けばいいのに。
うーん、最後まで薄味。
玲央がなぜ来栖に惚れ込んだのか、最後まで理解できませんでした。
というか精霊の設定、いりましたこれ?
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