第3回 なんでも文章化



不定期と銘打ってるのに、気楽に書けるのが楽しくて毎日更新。

あると思います。梶野カメムシです。

今日も朝から、創作駄文を書いております。

これを昼休みに仕上げて投下するのがルーティンになりつつあります。

ネタが尽きるか作者が飽きるまで、こんな調子なのでご容赦を。


さて、今日は私の練習法のご紹介。

「なんでも文章化」と、名づけました。

最初のタイトルは「漫画ノベライズ」でしたが、他もあるなと。


梶野は漫画脳です。

小説を書く際、まず絵や映像が浮かび、それを文章に起こします。

じゃあ漫画書けよって話ですが、絵が死ぬほど下手なんです。

こういう人、ラノベ書きには掃いて捨てるほどいそうです。


しかし当然ながら、文章と漫画、映像は別物です。

共通点はあれど、ルールも性質も異なる。まさに他言語への翻訳。

脳内のイメージを、いかに損なわず、文章に換えられるか。

つまるところ、小説の上手さとは、ここにある。


昔の梶野は、こう結論しました。

まあ後に、それが入り口に過ぎないことに気付かされるわけですが。

どのみち、漫画脳の梶野には必須の技術だったので、それはよしとして。


その時の練習が「漫画のノベライズ」です。

作家の小説を書き写すとかはよく聞きますが、こっちは聞きませんね。

梶野がバカなだけかもですが、そこはオリジナリティということでw


初めてノベライズした漫画は、「ゴージャス★アイリン」です。

文芸OBの小説会で、「漫画ノベライズ」をお題に出した際に書きました。


知ってますか、「ゴージャス★アイリン」?

荒木飛呂彦の漫画で、ジョジョより前の初期短編です。

舞台はイタリア。殺し屋の家系に生まれた孤独な少女アイリンは、報酬を求めず、友情のために殺しを請け負います。彼女の武器は「化粧」による催眠で、自己暗示で老婆に化けたり、スタイル抜群の「戦闘モード」になったり。特技は見るだけで敵を操り、壮絶な自死を遂げさせる「死の舞踏」。決め台詞は「私、残酷ですわよ」。


つい長文で語ってしまいましたが、荒木テイストあふれる傑作です。

「女性が描けない」というトンデモな理由で二話しかないですけど。

これの一話目「大女の館」を、小説化してみたんです。


まず漫画内の文章を全て写します。台詞も解説も擬音も、全部。

次に絵の部分の文章化。

最後に、自分の書き方スタイルに合わせた変換。

(私は擬音は極力使わない派なので、別表現に置き換えました)


書くと単純ですが、これがなかなか奥が深くて面白いのですよ。

漫画と言うのは、物語がコマで進むメディアです。

コマに何が描かれ、何が省かれているのか。

コマサイズによるインパクトの操作。カメラ角度。描写の密度。

ここら辺に作者のテイストとかこだわりがあるわけです。

無駄なコマなんて一つもありません。何かしら意味がある。


これ、小説も同じなんですよね。

視覚的にわかりやすい分、教材としてはこちらの方が向いてる気がします。

名作の構造を肌で学べるという意味では、私には最高の練習でした。

荒木独特の映画的な描写を、文章で拾うのは大変でしたけど。

チェーンソーで自身を両断した大女の体が、左右にバターンと倒れるシーンとかw


漫画ノベライズは、アクションを描きたい方にお勧めです。

大変そうなら、お気に入りの一ページでもいいと思います。

私はたまに、「はじめの一歩」とかでやってますよ。

慣れるといちいち書かずとも、脳内で変換できるようになります。

漫画読みながら「小説だとどう書くかなー」って考えるんです。


この練習の後、ほどなくわかったことがあります。

文章化が習慣づくと、漫画以外にも使えるってことです。


私は、心に残る景色や絵画を見ると、その場で文章化するようになりました。

いい感じにできたらメモを取ります。

いずれ小説に使え……ればいいんですが、たいてい忘れてますね。

でも、いいんです。

心に焼き付いた景色や絵画を、再び文章化すればいいんですから。

大事なのは、文章化する習慣です。


ちなみに「ゴージャス★アイリン」は、小説会で「原作読みたい」と言われました。

やったぜ。


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