第6話 一匹見たら百匹いると思えの体現
「よし!!じゃあ
アルに呼びかける。
『む、いいだろう。だが、怪我するなよ?』
「分かってる。」
アルはそう言うと、身体を縮ませ、俺の服のポケットに入る。
コメント
・え……小さくなった!?
・そこに入るのかよ笑
・えぇ(困惑)
・もうなんでもありだな
・かわいい
コメントではそれなりの反応が、まぁびっくりするよね、普通。そんな視聴者の驚きを傍目に俺は整備された石畳の道を駆ける。
あ、かわいいってのは俺も同意。
この
俺はそれを全て覚え、ゴールまでの道筋を暗記した。だから、こんなふうに迷わずにいけている。
コメント
・あれ?道わかってるんだ
・迷路型は地図見ればいけるぞ
・おおー結構早いな
・でも地図見てなくない?
・暗記してんだろ
何回か、曲がり角を曲がったところで、アルが口を開く。
『龍樹、その先の曲がり角、左に一体いるぞ』
「了解。」
アルから助言が入る。
なんでもこの先の曲がり角に一体いるらしい。ほんと、よくわかるな。
コメント
・場所分かるのか
・凄いな龍
・初見です
・察知も出来んのかよ
そのまま、アルが言っていた付近の場所までやってきた。俺は、走っている足を止めるわけではなく、なんならさらに速度を上げる。一体だけなら突っ込んでもいける。
そして角に差し掛かると、俺は壁に向かって大きく跳んだ。跳んでいる最中、ちらりと魔物の姿が見える。うん、これは確かにGだわな。そこにいたのは、黒い悪魔、黒光りするやべーやつ、一匹いたら百匹いると思え、など様々な呼び名で呼ばれる、とある虫が肥大化したもの。これは、無理な人はとことん無理だな。
なんというか、形容し難い気持ち悪さがある。
壁にジャンプした俺は、その壁をさらに勢いよく蹴っ飛ばして、さらに大きく跳ぶ。
そのままGの頭上を飛び越え、背後へ。空中にいる間、腰に差してある剣を抜刀。
そして、着地と共に一閃。真っ二つに斬り捨てる。
そのままやつは何もすることなく、塵となり消えていった。
コメント
・本当に初心者か?
・なんだこの曲芸じみた動きはwww
・初心者には見えない動きでしたね笑
・やっぱ、コイツもヤバかったわ
・Gも大概気持ち悪かったな
・ってか、その剣綺麗だね
「ん?この剣?あぁ、綺麗でしょ気に入ってるんだよね。」
手に持っていた剣を見やすいように向ける。
俺の持っている剣は真っ白な剣だ。これは父さんから譲り受けたものだけど、これ多分結構、値の付くものなんだよね。この剣の性能次第もほんといいし。
コメント
・うわー確かに綺麗
・これって魔銀製じゃない?
・こんなん何処で手に入れたんだ?
・高そう
・↑これ高いやつだぞ
「これはね。父さんから譲り受けたものだよ。もう使わないからって。性能はほんと良いから多分高いんだろうけど、そこは分からない。
コメント
・お父さん探索者なんだ
・ミスリル製の武器を使う初心者とは一体?
・さっきの動きといい初心者の概念崩れる
・やっぱり、龍樹くんの両親ってあの人達だろ
・これは強い
「あ、そう。俺の父さんは探索者だよ。母さんもだけど。というかその影響で探索者になろうって決めたしね。」
コメント
・両親共にって珍しいな
・中々いないよね
・道理で強いわけだ
・↑親に探索者がいるからって全員が全員強いわけじゃないんですが
◇◆◇◆◇◆
コメント
・いやー長く険しい道のりだったね
・長く険しい道のり(一方的な蹂躙)
・アルさんに一方的な蹂躙にしかならないって言ってたのにこの有様よ
・これで初ダンジョンとは思えないな笑
・やっぱ初心者詐欺だろ笑笑
・これは将来有望ですわ
『このダンジョン本当に初心者用か?流石に百匹出てきた時は加勢するかどうか迷ったぞ。』
「まぁ、でも一体一体は弱いからね。大体一撃で終わるし。」
コメント
・アルちゃんの言う通り過ぎて……なんなんですかねあの部屋は
・あの部屋は……
・あれは一種の地獄だろ
・Gとは思えない生命力なんだが
・確かにここ、初心者用じゃないだろ。なんだよ百匹の魔物が一斉に出てくるとか初心者対応しきれないだろ
・ここに一人で対応した初心者がいるんですが、それは……
「あの部屋は確かにびっくりするよね。なんだよ百匹って……まぁ、でも一体一体は弱かったからな。そんな攻撃してくるわけでもないし、冷静に対応すれば一人でも全然殲滅できるだろ。」
道中で、ある一つの部屋に入る事になったんだが、そこは一種の地獄だった。約百匹くらいのGが一斉に出てきた。まぁ、一体一体は雑魚だったし、全然攻撃して来ないし、数が多すぎるせいか全然逃げられてなかったし。まぁ初心者でもなんとかなるレベルではある。ただ絵面がアレすぎるが。
コメント
・だとしてもな気がする
・まぁ一匹見たら百匹いると思えを体現してたのかもな
・↑体現しないでもろて
・ってか、なんであんなに出て来たんだろうね?
・大幅に上澄みしたんじゃね?
「ま、取り敢えずボス行くか。」
コメント
・そういや、ボス部屋前だったんだ
・もうクリア目前か
・早すぎるんだよなぁ
・頑張れ!!
・尚、結果は分かりきってる模様
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます