エンゲージリングⅡ

 目を覚ました。

 時計を見ると、午前6時だった。


「ご飯よー。」


 お母さんの呼ぶ声が聞こえていた。


「はい、わかった。」

 

 ふっと思い出した。あれは、夢の中だろうかと僕は思わず指輪を見ていた。

 どうしてなのか。顔を思い出そうと頑張ったが、頭が痛くなっていた。

 

 登校中も授業中もずっと考えていた。


「大丈夫?」


 と呼ぶ声が聞こえていた。

 

 彼女は、松野千春である。大人しい性格で周りの異性や同性にもモテっていた。

 兄もいて、シスコンのようだ。


「ううん、大丈夫だよ。」


 僕は、元気そうに返していた。


「よかった。体調が悪かったら、声をかけてね。」


 と立ち去ろうとした時に無意識なのか彼女の手を掴んでいた。


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