正しい離縁の仕方~前世で読んでいた小説の悪女に転生したので黒幕夫(男主人公)から離縁したい~

ちーずけーき

プロローグ

ここベルギウス帝国の神殿にて。


―カラン...カラン......カラン...


心地よい鐘の音がし祭壇の前にはベールをかぶった少女と正装の少年が立っている。


「今、これよりミカエル・ドピリオンとソフィア・シルディスターが夫婦になることを証明す。意義のある者は?」


大神官により声を掛けられ直後拍手が喝采する。


「これでドピリオン家とシルディスター家の縁が強固になりますね。」


「なんとおめでたい日だ。」




―次々と聞こえる私達を祝う声。

『ソフィア・シルディスター』は間違いない、これは私が前世で呼んでいた小説『命にかけての君に誓う』の世界の悪女だ。



―『命にかけて君に誓う』には二人の主人公が居る。

ミカエル・ドピリオンとヒイラギ・クリエラは禁断の恋に落ちる。

でも彼には既に攻略結婚で結婚した妻が居た。

そう、その妻こそ―

稀代の悪女『ソフィア・シルディスター』だ。

彼女はミカエルを傷つけ彼にトラウマを植え付けてしまう。

しかも彼の恋人、『ヒイラギ・クリエラ』をも殺そうと企み見事失敗してしまう。

最終的には二人の仲は深まりソフィアは斬首されてハッピーエンド。

そして私はジ・エンド



私は斬首に何かなりたくない。

今からでも結末を変えるんだ。

小説の中の彼女はミカエルに溺れトラウマを植え付けたけどもう以前の私ではない。

なるべく空気になって斬首を避けるんだ!


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