笑顔の行方②

~ 9年後 ~



「クーヤ……私、綺麗?」


「うん……世界一綺麗だよ、コモモ」


俺は、純白のウェディングドレスに身を包んだコモモに見惚れた。


九年の交際を経て、俺とコモモ・セレブリティは、今日、婚礼の日を迎える。


幼かったコモモも、今では、誰もが振り向く美女に成長した。


あの後、コモモがくれたレヴィの鱗は、宝箱に入れて二人の部屋に仕舞ってある。


「コモモちゃん、おめでと~」


「…………」


「ありがと、ノノちゃん。アンジェ、くすぐったぁい」


「うう……お嬢様……!お時間でじゅ……!ううう」


「レナ、そんなに泣かないで。私、幸せになるわ」


「びええええ!!!」


♪タタタターン・タタタターン……


メンデルスゾーンの結婚行進曲が聞こえる。


「クーヤ、貴方は……」


ビショップが、俺とモモを、神の前で誓わせる。


「では、誓いのキスを」


あの日、不器用に交わした口付けを、俺達は今、しっかりと……


『バターン!』


教会の扉が勢い良く開け放たれた。


「クーヤーーーッ!」


「えっ!!?」


モモッ!?


群がる警備員を、モモは裏拳で薙ぎ倒した。


そのまま、つかつかとバージンロードを歩み来る。


「ク、クーヤ君!何だね、この女性は!!


 ワシは、コモモの父親として、黙っちゃおれん!」


新婦側の来賓席のボルト御前が立ち上がる。


「い、いやっ、あのっ!」


「クーヤ……」


コモモが心配そうに俺の腕に抱き付く。


それを見てモモは益々いきり立った。


「クーヤ……私、やっぱり、どうしてもクーヤの事、好きなの!」


驚くコモモ。


「なっ、何だと!?クーヤ君!これは一体どう言う事かね!」


ボルト御前が詰め寄る。


「そ、その」


(どうすれば!?)





「……ちょっと、いいかな?」


リオンの隣の席の、マグナが立ち上がった。


会場の視線が集まる。


「実は、二人のモモには……!」









「マグナの知る、二人のモモに隠された秘密とは、一体、何なのか!?

 風雲急を告げつつ……次回へ、続く!」



~ 御愛読、有難う御座居ました! ~




→3話「どうするクーヤ①」へ戻る

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