毒親制裁編
第71話 ニュースみたか?
亜人症に関することは連日ニュースでも報道されて、辻風ハヤテの名はいまや知らない人はいないくらいの有名人になっていた。
そしてハヤテの行動はすべてひかるんのためだということも、美談になっていた。
ひかるんのもとへも取材班が訪れて、ひかるんを主演にしてドキュメンタリー映画を作ろうなんてはなしにもなっていた。
ひかるんの人気と美貌はすさまじく、芸能界も眼をつけている。
卒業と同時に芸能界デビューなんていううわさも立ち始めていた。
そして当然、ひかるんの母のもとへも、取材班は訪れる。
最初は取材を迷惑そうにしていた母だったが、さすがにしつこい取材班を、追い返すこともできず、ひかるん母は取材を受けることに。
内心ではいまだひかるんを蔑視していた母であったが、まさかテレビカメラの前でそんな振る舞いをできるわけもなく。
ひかるん母はテレビカメラに、思ってもないことを口にするのだった。
「娘さんの寿命が延びたということで、よかったですね。今の心境をお話ください」
「そうですね……。ほんとうによかったと思っています。娘のことは常に心配でしたから……」
「娘さんを救ってくださった辻風ハヤテさんについてはどうお思いですか?」
「あ、あの人ですか……。そうですね、彼にもかなり感謝しています。今度あったら、直接お礼を言いたいと思いますね」
「そうですか。えー、以上、ひかるんのお母さまからのインタビューをお届けしました」
◇
463: 名無しのダンチューバー
ニュースみたか?
ひかるんのお母さん出てた
464: 名無しのダンチューバー
なんかひかるんのお母さん優しそうな人だったな
465: 名無しのダンチューバー
まあそりゃあ、娘が亜人症だったら普通心配だよなぁ
466: 名無しのダンチューバー
まじでよかったな
467: 名無しのダンチューバー
辻おじに感謝だよなぁ
468: 名無しのダンチューバー
でもなんか……あんまうれしそうじゃない気がするんだよなぁ
469: 名無しのダンチューバー
そうか……?
470: 名無しのダンチューバー
うん、俺はそう思った
◇
俺はここ最近、亜人症の子たちの治療で異世界とこっちを飛び回っていて、忙しかった。
だが、それももう役目を終えて、ようやく落ち着けるようになった。
はあ、この数か月、カメラには終われるわで大変だった。
俺は久しぶりに、家に帰ってこられた。
すると、家の前に、誰か立っているのがわかった。
誰だろうか……。
それは、ひかるんのお母さんだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます