辻ヒーラー、謎のもふもふを拾う。社畜俺、ダンジョンから出てきたソレに懐かれたので配信をはじめます。それはそうと、美少女有名配信者を助けた救世主が俺だとバレて、バズって大変なことになってるみたいですね?
第24話 これ、いわゆる炎上ってやつなのか……!?
第24話 これ、いわゆる炎上ってやつなのか……!?
カレンは朝早くに始発で帰っていった。
なんかめちゃくちゃ怒ってたけど、なんだったんだろう。
女性はよくわからない……。
二日酔いの頭を覚まそうとしていると。
電話が鳴り響いた。
着信は、友人の上大岡ユウジからだった。
こんな朝早くからなんだろうか。
「はい、もしもし……」
「おい! 大変なことになってるぞ……!」
「え……? なにが……?」
ユウジは血相を変えて俺に叫んでくる。
耳が痛い。鼓膜が破れそうだ。
「なにがって……お前、またインターネット見てないのか……!?」
「いや……昨日飲んでてさ。まだ起きたばっかだし、見てないけど……それが?」
「いいから今すぐ見ろ!」
俺は電話しながら、パソコンを起動する。
そして、Twitterを確認。
すると、俺にめちゃくちゃDMやらリプやらが届いていた。
それも、数え切れないほどだ。
なにがあったのか、把握に困る。
トレンドのツイートを探していくと、すぐに見つかった。
「な、なんじゃこれえええええええ……!??!?!?」
そこには、昨日の俺とひかるんがデートしている写真が載っていた。
いつ誰にこんなもの撮られてたんだ……?
写真と一緒に、こんなツイートがされていた。
【辻ヒールおじさんとひかるんがパパ活か……!?】
投稿しているアカウントは、滝川アソレというアカウントだった。
どうやら炎上をまとめたりしている、迷惑系のアカウントのようだ。
しかも結構なフォロワー数で、かなり影響力もある。
これは、厄介なやつに目を付けられてしまったのかもしれない。
「ど、どういうことだよこれ……!?」
「どういうこともこうもねぇ。誰かがお前たちの写真を隠し撮りして、アソレに売ったんだろうよ。まあ、おおかた犯人はお前のアンチじゃねえか?」
「俺のアンチ……そんなのいるのか……」
「まあ、ひかるんやさりーにゃと仲良くして、ちやほやされてるからな。アンチの一人や二人くらいはいるだろ。有名税ってやつだ」
「それにしても……」
これはひどい。
俺とひかるんがパパ活だとかって、完全にデタラメ書かれている。
「なんでこんなこと……」
「言ってもしかたねえ。あいつらの目的は炎上騒ぎ。いたずらに火をつけて、楽しんでるだけの愉快犯だからな。そこには正義もなにもねえよ。お前に今できることは、せいぜい火消しくらいなもんだ」
「火消し……って、どうやれば……」
「さあな……そこはまあ、立ち回りがムズイだろうな……」
これ、いわゆる炎上ってやつなのか……!?
俺、なにも悪いことしてないのに……。
まさかこんなことになるなんて……。
それにしても、迂闊だった。
まさか盗撮するような奴が現れるなんて。
これじゃあ、ひかるんにも迷惑がかかってしまう。
それは俺の本意じゃない。
どうにかしてこの騒ぎを沈めたいところだけどな……。
滝川アソレの投稿についているリプライを読んでみる。
『うわまじかよ辻おじ最低だな』
『ひかるん……幻滅したわ……』
『そんな……ひかるんが……』
『うわーひかるんマジか……』
『男の影なかったのにな……』
『コラボならともかく、オフで会うとかどうなんだ?』
『オフパコかよ裏山』
まじで……ネットの意見ってめちゃくちゃだな……。
でも、こうなったらどうしようもないもんな……。
くそ、どうすれば……。
多くの批判的な意見は、ひかるんのファンからのものだった。
ひかるんのファンの中にいる、過激なガチ恋勢、彼らが誹謗中傷のDMなどを送り付けてきていた。
他には、まったくの外野だけど、野次馬的な感じでリプを飛ばしているようなものも。
だが、俺やひかるんを擁護する意見も多かった。
そこは救いだ。
俺もひかるんもかなり多くのファンがいる。
ファンは一枚岩じゃない。
多くのまともなファンは、今回のことを冷静に見ているようだ。
『別にいいんじゃね?このくらい』
『普通にこれひかるんがお礼したかっただけだろ』
『オフで会うくらいするだろ』
『おっさんも大人なんだから変なことしないだろ普通に考えたら』
『うーん、別にいかがわしい関係には見えないけどなぁ』
『ひかるんの自由だろ』
『辻ヒールおじさんがそんなことするわけないだろいい加減にしろ』
『俺たちの辻おじが……』
『これは意図的に悪意のある切り取り方だな……』
『辻おじ負けずにがんばって!』
うう……あたたかい応援のDMなんかもきていて、普通に感動する。
でも、これどうするべきなんだろうな……ほんと。
ふと見ると、ひかるんからもDMがきていた。
恐る恐る開いてみる。
【ひかる:ほんとうにごめんなさい!完全に私のせいです……。ご迷惑をおかけします。どうにかこちらで火消しできないか頑張ってみます……!申し訳ないです……】
と、とても申し訳なさそうなメッセージがきていた。
【いやいや、ひかるんのせいじゃないって!俺もどうにか釈明してみる】
と、メッセージを返す。
これはひかるんのためにも、なんとか鎮静化しないとな。
俺は重い腰を持ち上げた。
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