悪役令嬢(転生者)と主人公(転生者)が仲良くならないなんて誰が言った?
@marumarumarumori
運命の出会い
前世の私は、いわゆる日本人のオタクだった。
オタクと言っても、ゲームをしたり、アニメを観たり、たまに二次創作をする程度なんだけどね。
そんな私が、特に好きだったのが【ハニー・ハニー・ハニー】というゲームで、いわゆる異世界ファンタジー系の学園モノなのだが.................有名な漫画家がキャラデザを務めているためか、発売された当時は入荷待ちは当たり前。
まさに、名作乙女ゲーと言っても過言ではないゲームだった。
ちなみに、私の推しは主人公のフレーズ!!
何てったって可愛いんだもん!!
現に、私はパッケージに描かれてるフレーズが可愛くてジャケ買いしちゃったしね。
もしも、転生するならフレーズがいいな..........と思っていたけど、現実はそうもいかなかった。
女子生徒1「ココ様、おはようございます」
ココ「おはようございます」
私が転生したのはココ・ワーズダック。
【ハニー・ハニー・ハニー】に登場するキャラクター.................なんだけど、いわゆる悪役令嬢と呼ばれる人物で、彼女の家であるワーズダック家は貴族の頂点に立つ存在...........公爵家であるため、幼い頃からこれでもかと甘やかされて育った結果、金と権力を使って全力で嫌がらせをする悪役へと成長。
しかも、女優と言っても過言ではないレベルの演技力付き。
しかし、結局は悪事が全てバレてしまい、攻略対象達から糾弾。
ルート次第では一家揃って追放or処刑という悲惨にも程があるキャラクター....................それがココ・ワーズダックという人物なのだ。
だけど...........
ココ「せめて破滅ルートは回避しないとね.......」
破滅ルートだけは絶対に嫌だ!!
というか、上っ面だけに騙される王子となんか婚約者になるもんか!!
そう決意した私は、王子との婚約を拒否したり、真面目に勉強したり、万が一のために魔法やら武術やら剣術やらを訓練したりして、色々と努力してきた。
そのおかげなのかどうか分からないけれど、私は物語の舞台となる名門学校こと、エトワール学園にコネ無しの実力で首席入学を勝ち取った。
まぁ、元々私はそういう作業は嫌いじゃなかったしね。
ココ「そういえば、今日は転校生が来る日だっけ?」
この学校に転校生が来るのはめちゃくちゃ珍しい。
というのも..........ウチに転校してくる生徒のほとんどは学園関係者にスカウトされたエリート。
なので、転校生=天才というイメージがこの学校に定着しているのだ。
ココ「これで学校がしばらく騒がしくなりそうね。ま、私には関係ないけど」
そう思って教室に戻ろうとした時、私はある光景を目にした。
それは、廊下の真ん中で人だかりが出来ていたのだ。
ココ「何?この人だかり..........?」
そういえば、フレーズが転校してきた時もこんな感じだったっけ。
ん?ちょっと待って....................
ココ「まさか!?」
あることを思い出した私は、すぐさま人だかりが出来ている方にいくと
フレーズ「あ.......」
そこには可愛らしいピンク色の三つ編みをした少女...........フレーズがいた。
........やっぱり、転校生はフレーズだったんだ。
ということは、ここからゲーム本編に入るってことね。
フレーズ「あ、あなたは..........」
ココ「初めまして、私は」
フレーズ「ココ様!!ココ様だ!!」
え?
ココ「ヘ?」
フレーズ「あぁ!!まさか生でココ様に出会えるなんて..........まるで夢を見てるみたい!!」
ココ「あ、あの.......」
嘘!?何で私のことを知ってるの!?
だって、本編前に
フレーズ「あ〜、転生してよかった〜」
ココ「は?」
フレーズ「あ」
その言葉に対し、周りの生徒は何言ってんだコイツ?みたいな反応になったものの、私にとっては、それは特別なことを意味していた。
フレーズ「あ、い、今のは忘れてくださ」
ココ「ちょっと待って!!」
フレーズ「ヒャイ!!」
ココ「あなた...........ひょっとして転生者、なの?」
こうして、私とフレーズ........もとい、日本で生まれて日本で死んだ転生者は出会ったのだった。
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