魔獣人
オオカミ
第1話
「もう泣かないで!俺が君を守るから!」
そう言い1人の青年が魔物の群れへと向かって行った。剣で魔物の急所を的確に狙い、盾で力強く自分を守る姿は私には勇者の様に見えた。
半分程魔物の数が減ると群れの後ろの方にゲートが開き、仮面をつけたマント姿の人が現れた。
『強いな。お前。』
「俺は魔物になんか負けない!」
『…。なら。生まれ変われ。』
そう言い仮面の人は左手を上げ黒い光を作り出したそれを、青年に向けて投げた。黒い光に飲み込まれた青年は急にもがき苦しみ、悲鳴に似た雄叫びをあげ、そんな中でも私の方を見て、
「き、君は逃げろ!今すぐ…町へ!」
ハッとして私は目を覚ました。またこの夢か…
私の背中は汗でびっしょりだった。呼吸も少し荒れていた。自分の右手をみて少し動かし、身体には問題ないことを確認し、着替えをし窓を開けた。
外は雲ひとつ無い快晴だった。
朝早くは無いとはいえ、もう子供達の声が窓の外から聞こえてくる。その声で今日もまた頑張ろうと、家を後にした。
私は剣士として国から雇われている。今日の仕事は何があるかと確認する為ギルドへと向かった。
ギルドには多くの人が入り交じり、私と同じく雇われの身や国民など、誰もが自由に出入りすることが出来る。
掲示板を見て私は今日は何にしようかと悩んでいた。護衛の仕事や魔物や魔獣の討伐など色々ある。
「おはよう、ルーナ!朝から仕事かい?」
「おはようございますギルドマスター。今から運動がてらになにか行こうかと思ってました。」
「熱心だね〜、たまには息抜きもするんだぞ」
そう言いながら大柄なギルドマスターは去っていった。
再び目を掲示板に戻し、魔物討伐の依頼を手に取った。オーガ10頭の討伐。これならそこまで苦労しないだろうと、受付に持っていき受理して貰った。
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