きみはムカデ人間を見ながらカレーを食えるか
ちょっと汚い話が出ます。注意。
さっき、夕飯を食べながら諸事情で見なければいけないホラー映画を見ていた。
前情報は一切なく、開始15分ほど経って「結構面白そうだな〜」と思い始めた頃、おそらくこいつが殺人鬼であろう、という男が店の奥に消えた。しばらくして怒り狂った店主に引っ張り出される男。「ちゃんとトイレで
で、次のシーンで映ったのが、その店の奥、汚物を撒き散らされたトイレだった。
一瞬、血と肉片にも見えたのだが、ちゃんと見るとそれは排泄物である。店のスタッフが「不潔だ!」と文句言いながら掃除しているところからもわかる。
それを認識したとき、わたしは一瞬怯んでしまった。551の豚まんを食べる手が止まる。
店のカウンターへとカットが変わったところで一時停止し、ご飯を最後まで食べた。
基本的に、グロとか多少汚い表現とかを見てても、飲食は問題なくできる方という自認である。
難易度の低いところから行くと「第9地区」を見ながらポップコーン、全然食える。「スウィーニー・トッド」を見るとミートパイが食いたくなる。まあこの辺はみんなそうでしょう。
あんまりゴアの有無で映画を評価しないのでパッと思いつかないが、腐乱生首に蟻がたかる「へレディタリー」や顔面陥没の「ミッドサマー」なんかは全然平気。見ながら普通にちゃんと食事が摂れる。2本くらいしか見てないけど「ソウ」とかも大丈夫だ。
汚い系はどうだろう。「ムカデ人間」を見ながらカレーを食えるか? 1なら正直余裕だと思う。絵的に汚い部分はないし。2も……うーん、微妙かなあ、カラーのところはちょっと嫌かもしれないが、見終わった直後とかなら全く問題ない。
普段はそんな感じなので、自分が汚物シーンで怯んだこと自体にちょっとびっくりした。不意打ちだったからか?
そもそも、「グロい/汚い映像を見るとものが食べられない」という理屈自体が、わかるようでわからない気もするのだ。見ているものの味やにおいを想像してしまうのか? わたしの場合、映像から味やにおいまで想像することは(よっぽどそれをイメージさせるために作られた映像でない限り)ほとんどないのだが。
さっきの感覚は、想像してしまったというより、「想像してしまう可能性におびえた」という感じだった。「キリンのことを考えないでください」と言われたらキリンのことを考えてしまうみたいな、そういうときの感覚に近い。
別に勝ち負けでもなんでもないのだが、なんか少し負けた気がして悔しい。不意打ちのうんちにも怯まない自分でいたかった。
それはそれとして、やっぱりムカデ人間とかを見ながら食事をするのはあんまりオススメはしないです。ご飯は美味しく食べましょう。
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