ブルー・トレインの輝き
宗谷ソヤナー
第1話 死の覚悟
私は、自分が死ぬことを覚悟している。
口元から血が流れ始めていて、頭痛が長い間……続いている。
そして、私自身は上空に広がっている曇り空を見つめながら、大の字になって倒れていた。
このまま、多くの雲が満ちあふれている空の下で、私の命は消えていく……日本に帰ることができずに。
ごめん、ヒカリ……あなたとの約束を守ることができなかった……。
悲しさと悔しさが重なって、私の瞳から大粒の涙が次々とこぼれ落ちた。
「さあ、そろそろ本当に消えてもらうよ」
頭上から女の太い声が聞こえてきた。この女に勝たなければ、道は少しも開けないのに……! どうしたらいいの……!?
私の気持ちは、今まさに上空に広がっている灰色の雲そのものだった。
ヒカリ、本当にごめんなさい……!
「シズク! 最後まで諦めてはダメだよ! 僕も! 力の限り戦い続けるから!」
ああ……ヨシツネ……私のために……私は意識がもうろうとしていたけれども、彼の声に勇気づけられてブルブルと体を小刻みに震わせながら立ち上がった。その時、強烈な突風がいきなり強く吹きつけてきて、私の着ているセーラー服をひるがえすかのように襲ってきた。
こ、この風も、あの女が魔法で作り出したのね……。私は、必死で足を踏ん張って両腕を目の前に構えて飛ばされないように耐え続けた。
そして、風が吹き終わった後に、私はその風上へ体を向けた。その先には、青い髪でロングヘアーをなびかせながら、1人の魔女が不敵な笑いを浮かべて立っていた。
その表情を見たことにより、私の怒りは燃え上がった。そして、その私の右隣には金髪の青年ヨシツネが駆けつけてくれた。
私とヨシツネは、揃って青い髪の魔女……ジャリアを睨みつけていた。
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