第2話
体育館に入った時には、まだそこまで席は埋まっていなかった。
座席の指定は無いから、どこに座っても自由だ。
しかし新入生の分布には規則性があった。
前側にSクラス、Aクラス、Bクラス。
後側にCクラス、Dクラス。
きれいに分かれていた。
(差別意識が強いのは、差別を受けている者の方か・・・)
俺は真ん中辺りの椅子に適当に座った。
壁の時計に目を向けて考える。
あと少し時間があるな。
今頃リハーサルをしているであろう珠々の姿を思い浮かべた。
まぁ珠々なら大丈夫か、と。
暇になった俺は椅子に深く座って目を閉じた。
睡魔に身を委ねようとした時に、
「隣空いてますか?」
と声をかけられた。
目を開けて確認、自分に掛けられた声。
声で分かってはいたが、女子生徒だった。
「どうぞ 全然空いてますよ」
まだ空席はあったが何故わざわざ知らない男子生徒の隣に座りたがるのだろかと思ったけれど
(まぁ隣に座っても困るほど狭くないか・・・)
と考え、頷いた。
「ありがとうございます」
と頭を下げて椅子に腰掛ける。
また目を閉じようとした時にまた声を掛けられた。
「あの・・・」
一体なんだろうと思いながらも目を向けた。
「私、
まさかの自己紹介だった。
少し気弱そうな感じだなと思いながらも
「黒嶋天馬です。こちらこそよろしく」
となるべく優しく自己紹介を返した。
入学式は無事何事も無く終わった。
珠々もしっかり出来ていて安心した。
珠々ははっきり言って美少女だ。
周りの新入生・上級生区別なく心を鷲掴みにされたと予想出来る。
明日からは珠々の身辺は賑やかになるだろう。
まぁいつもの事だけど、と考えを切り替える。
今日は入学式以外は何も無い。
さて話は変わるが
国立魔戦士大学附属第一高校は合格した時点でエリートと言っても良いくらいの名門校だ。
しかし、CクラスDクラスはS〜Bクラスに色無し《ノーカラー》組、補欠と影で言われている。
制服にバッチが付いていないCクラスやDクラスは半ば公然たる蔑称として定着していた。
建前では「ノーカラー」と呼ぶことは禁止になっている。
今日はもう何も無いからと体育館から校門に向けて歩いていた時にそれは起こった。
「ノーカラーのくせに生意気だな!!」
天馬と珠々は目を合わせてため息をついた。
大声で叫んだ生徒には銀のバッチが。
叫ばれて怯えている生徒にはバッチが無い。
「面倒だな 珠々どうする?」
「助けてあげて欲しい」
「了解ですよっと」
あとがき
ーーフォロー・コメント・「☆☆☆」・ブックマークをして頂けると嬉しいです!!!ーー
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます