バトル・オブ・シャドウ

トンカッチ

第1話 前日譚

この物語は全てフィクションです。





西暦1950年代、第2次世界大戦の終結とともにその技術を基に世界各国が宇宙進出を夢見た。


1959年にはアメリカが世界初の有人宇宙船を開発、打ち上げに成功した。


その際に月面に着陸し、その時には全世界で宇宙ブームが来ていた。


そして採集したサンプルには未知の元素が含まれており、それは新しい燃料として利用可能だったのだ。


それに伴って、各国の宇宙進出熱はさらに加速していった。


時には、スペースシャトル発射場を巡って国家間戦争に発展しかけたこともあった。


紆余曲折を経て、国連により、各国に新種宇宙資源の分配割合が定められた。


そのような歴史背景を何度か繰り返し、人類はついに西暦2385年、宇宙空間に居住地域を広げた。


それらは『コロニー』と呼ばれた。


コロニーはリング状の居住空間と円筒形の農業・工業プラントの複合化であった。


各コロニーは自治権を持っているものの、実質的には『国連直属連合国家』となっていた。


そして、彼らには独自に防衛軍が設立されていた。


防衛軍は最初こそコロニー内でのみ活動していたが、技術の発達とともに宇宙船、宇宙軍艦と戦力を拡大していった。


目的は建前としては宇宙海賊や反乱分子、スペースデブリ除去といったものであったが、実際はコロニー間戦争を見据えたものであった。


そう、国連は健全には機能していなかったのだ。


西暦2435年には遂に歴史上初の宇宙空間での戦争が勃発したのだ。


その戦火はコロニー間で止まることを知らず、地球にまで広がっていくのであった。


後の世代の人類はこの戦争を宇宙空間が暗闇であることから『バトル・オブ・シャドウ』と名付けたのであった。

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