エロ漫画不定期紹介

あきかん

悪女考察

 エロ漫画は全てを解決する。なんて事は無いわけだが、こと小説を書く際にはとても参考にしている。たぶん、自分がエロ漫画を中心に創作物を読んでいるからだろう。と言うわけでエロ漫画を紹介しようと思う。


『悪女考察』作 みくに瑞希


 今作はツンデレ純愛物である。ツンデレなんてキャラの味付けの1つだろ?と思っていたが、それを物語へと昇華しているのがこの『悪女考察』の特筆すべきところだ。

 ツンデレとは何か。それは最初は辛く当たるが、最後はそれが好意に転換するというものだろう。この一連の転換は物語としての骨格となり得るのは必然だ。

 そもそも物語は動かなければならない。その動きの幅が大きければ大きいほど面白いと言われる物になる。なればこそ、ツンデレと真摯に向き合うのは正しい。

 表題作の『悪女考察』はツンデレというダイナミズムを物語に落とし込んだ傑作だ。主人公を騙すヒロイン。なぜこのヒロインが主人公に構い続けるのかの伏線を貼っておいて、最終話でその理由が明かされる。この過程をヒロインの表情を用いて表現されており、それが読んでいて感動すらおぼえる理由だろう。

 エロ漫画とは、少ないページ数で濡れ場を書かなければならない。その為に出される物語は作者の癖が剥き出しになった作家性のみで形成される。故に、ツンデレヒロインを書くのならば、押さえるべき一冊としてこの『悪女考察』は外せない傑作である。

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