紛失日記

正義

　子に勉強を教える親のツイートを見た。

　昔は何で勉強していたのかな、と思い返す。あの頃はたぶん正義について知りたかった。

　正義とは何か。それは幸福を約束するものではない。倫理とも違う。人が正しく生きる事を私は正義とは思えない。売春、麻薬に殺人、レイプ。まぁ他の犯罪行為でも良いが、それらに向き合わざるして、正義は語れないだろう。

　人を罰する事は正義ではない。正義論で有名なロールズは功利主義者であった。弱者救済。彼独自の理論であるところのマキシミン戦略（ゲーム理論のそれとは違う）がそれである。

　弱者を救わなければならない。という現代の正義、いわゆるポリコレと言われる物の基礎はこのロールズの理論である。

　では、これを実践出来るのか、と言われると出来ないと答えざるを得ない。理論的には、地球を単一国家にしなければ前提条件すら整わない。いわゆる開放経済では成り立たないのだ。

　色々な正義について調べてきたが、もはやそれは重荷にしかならなっていない。自分はいつ正義を捨てたのだろうか。たぶん、鬱になった時だ。あの頃から自分の正義は内に籠もり燻り続けている。