第226話
◆
ローラン君が
座席は元々4連の席が2組だった内、後ろの方になる側の2枚を
4連の席は前から2列目の中央付近で見やすいだろうということで、元々好きだと言っていた春華さんとローラン君と幸博君に譲る雰囲気になって反対もなくすぐに決まり、冬樹君と岸元さんのお姉さんは一番後ろで良いと言って、栗山さんへ譲った席の並びの席になり、
実際、ギリギリまでロビーにいて上映開始直前まで春華さんと居られたので元からアニメが好きな人達や
正直なところアニメにはあまり興味がなかったのだけど、楽しめてテレビで放送される様になったら続きを見たいと思ったし、春華さんが好きな物を好きになれたのは素直に嬉しい。
その後の出演声優の方たちのトークショーも作品への意気込みを感じることができたし、春華さんきっかけで観に来たけど上映会自体も楽しめてよかった。
僕と同じく付き合いで来ていた感じだった江藤君も
◆
先行上映会イベントが開演されました。
まず1話と2話を先に上映している間に控室へ入って直前の打ち合わせを行い、作品の上映が終わってからいよいよわたくし達の出番です。
登壇するためにスクリーンへ上がって春華さん達の座席を確認しました。映画館での上映会では最前列が使われず2列目からお客様を入れる事が多く今回もその様になっていて、そのお客様が座る席の中で一番前になる2列目の中央部にわたくしから見て左からユッキーさん、春華さん、ローランさん、岸元さんがいらっしゃって驚きました。それから他の方を探すと、わたくしがユッキーさんへ差し上げた中ほどの席に江藤さんと新谷さんが並んでいらっしゃって、更にその後ろの方の席に冬樹さんと栗山さんを見付けました。
しかし、並びから冬樹さんと栗山さんの間に見たことがない女性がいらっしゃって、栗山さんの反対側の隣には身長が高く女性受けしそうな風貌の男性がいらっしゃいました。栗山さんが意中の男性を誘うということでしたから、男性が意中のお誘いされた方でしょう。そうすると、間にいらっしゃる女性は冬樹さんのお連れの方ということになります。
冬樹さんに直接交際されている女性がいるかと伺ったことはなかったですが、話をしている限りでは主に春華さんと
上映会のトークパートは一緒に登壇していた
「
控室へ戻りながら朱乃さんが疑問を投げかけられました。
「いえ、その様な事はなかったのですが・・・」
「あっ、わかった!
最前の中央に居た白人のカッコイイ男の子に
あの男の子、
佳さんも気にされていた様で推測を口にされました。
「それはないと思います。
第一その彼はクラスメイトで友達ですよ。
「ええっ、あの白人の子とクラスメイトなの!?
じゃあ、両隣に居た女の子のどっちかが愛島ちゃんの正体を見破った女子高生ってこと?」
「そうですよ。これから控室へ来てくれますけど、壇上から見て左に居た方がその見破った友達です」
「へぇ、そうなんだ。
でも、そうすると愛島ちゃんは何で詰まってたの?」
「フォローしていただいていたのに申し訳ないのですが、
「佳、それくらいにしてあげなさい。誰にだってよくわからないまま調子が悪い時くらいあるでしょ」
◆
上映会のトークパートが終わってすぐに
香織ちゃんから他の人には言わないで欲しいと言われてて本当のことを言うわけにもいかないし、已むを得ない。それにしても、あけのんさんと
言われた場所のスタッフさんに声を掛けて香織ちゃんから言われた通りに言うとそのまま通してくれて控室へ案内された。
「春華さん、申し訳ありませんお呼び立てしてしまって」
「それは良いんだけど、本当にあたし来ちゃって良かったの?」
「良いに決まっているじゃありませんか。大丈夫でなかったらそもそもお呼び立てしませんよ。
それより紹介させてください」
「うん」
「朱乃さん、佳さん、こちらが転校先の学校で最初にお友達になった神坂春華さんです。
学校での変装をすぐに見破られた方でもあります」
「あなたが唄ちゃんの正体を見破った
「もちろん存じてます!
小学生の頃から好きでした!」
「あはは、嬉しいわね・・・それにしても、今の高校生だと小学校の頃から知られてるのかぁ・・・おばさんになっちゃうわけよね」
「おばさんなんてことないです!全然お若いです!」
「また嬉しいことを」
あたしにとってはずっと好きだった日曜の朝に放送している人気シリーズのあたしがハマっていた頃の作品で主人公キャラの声を担当をしていたあけのんさんは憧れの人で、お会いできたのがすごく嬉しく感動してて反射で物を言っている。
「ちょっと、アケさん。わたしにも紹介させてくださいよ」
「ごめん、佳。じゃあ、どうぞ」
「わたしも知っててもらえると嬉しいけど同じく声優の藤堂佳です」
「もちろん存じてます!
小学生の頃から好きでした!」
「わたしでも小学校の頃からになるなんて嬉しいわね。春華ちゃんが小学の頃って言うとまだ新人でそれほど出てなかったと思うけど」
「あたしは小学生の時にはどっぷりアニメ好きになってましたので、その頃も深夜アニメも見てました!」
「それはすごいわね。春華ちゃんみたいな可愛いファンにはひいきしちゃうかな」
「ありがとうございます!」
「それで、聞きたかったのはね、愛島ちゃんを見抜いた時の話なんだけど、どうしてわかったの?」
とどけさんが質問をされたので香織ちゃんが転校してきた日の朝にカマをかけて引っ掛けた時の話をしたらあけのんさんととどけさんが笑ってくれて、香織ちゃんが少し不満そうにジト目であたしを見つめてきた。
「わたしの姪が中3で年明けに高校受験なんだけど、長野に住んでるのに
香織ちゃんの話にオチがついたところでとどけさんが話題を切り替えられた。
「それは奇遇ですね。あたしの従兄弟も中3で今は長野で高校は
「そうなの?それも奇遇ね。わたしの姪もそうよ。
合格したらわたしのマンションへ住まわせて面倒を見てくれって兄さんに頼まれちゃってるのよ」
「それは大変ですね」
「ホントそう!全然実家へ帰れてないから5年くらい会ってないのに、最近になって突然
「それも、あたしの従兄弟と同じですよ」
「へぇ、そこまで一致してると学校も同じかもしれないわね。
ちなみに
佳さんのその話を聞いて香織ちゃんが笑い出した。
「佳さん、姪御さんが合格したら
「そうなの!」
香織ちゃんが笑いながら説明すると佳さんが驚かれた。
「はい、あたしの姉が前期の生徒会長をやっていた縁で推薦されまして・・・それと、あたしの従兄弟も
「本当に同じ学校だったなんてね・・・しかも、愛島ちゃんや春華ちゃんが先輩なんてすごい偶然ね。
じゃあ、姪が入学した時にはよろしくね」
受験の話が一段落したところで、スタッフさんに声を掛けられて
そして、みんなと合流したらやっぱり大きい用を足すために御手洗いへ駆け込んだと思われてたみたいで、みんなから微妙なフォローをされたて悶々とした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます