第207話
◆
結局は病院での連絡の行き違いや運悪く二之宮さんが看護師さんに見付けられないところで寝てしまっていた事が原因であったとの事で、二之宮さんや
入院するきっかけになった
また、高橋先輩の妹は
那奈さんとしてもその点は理解できると激昂してしまったことを謝罪したという。
今後のこととして、那奈さんは今のアパートでは通勤が不便でセキュリティにも不安があるからと引っ越しを検討していると言うので、僕らが近々引っ越して空ける予定の今住んでいるマンションを売らずに鷺ノ宮家に貸すことを提案した。最初は遠慮されたものの、家賃相場通りの金額でも不動産業者へ支払う手数料などを浮かせることでメリットが有ると言う説明をして、決して知り合いだから安くする様な事をしないという事で納得してもらって貸し出すことにした。
説明した事には嘘はないけれど、実際にはマンションを売却しその資金を運用した方が稼ぎやすいというのはある。那奈さんや再起しようとしている二之宮さんを見ていて絆されたと言うのもあるし、美波も二之宮さんが近いところに住んでいた方が良いだろうという
余談で、仲介業者の
・・・そして、それから何事もなく時間が流れ期末テストが始まった。
・・・そして、何事もなくテストが終わり・・・今学期も残りわずかとなった。
◆
二之宮さんが行方不明になった事は思いのほか問題なく解決して良かった。
協力してくれた
意外にもそれを聞いた
転居は佐々木先輩の伝手で良い業者さんが丁度キャンセルされて空いていたところを紹介してもらえてすぐに着工でき、年内には引っ越しできて年末年始は3年ぶりに実家にも居られる状況になりそうだ。
佐々木先輩については、玲香さん達以外の知り合いにも話を聞いてみたところ、背が高くてカッコよくて仕事ができるので人気があって女性からも交際相手に望まれるけど、仕事や付き合いを優先しがちで交際している女性が我慢できなくて短期間で破綻してしまうことが多く、中には自分から別れると切り出したのに未練たらしくつきまとって次の交際相手とトラブルを起こしたりする事もあって女性関係がだらしないという噂が流布してしまっているらしいという話を聞かされ、やはり玲香さんや
以前は、言い寄られるままに付き合っていたからそういう事になってしまっていて、最近は自分から声を掛けるようになっていたけど、佐々木先輩と言えど自分から交際したいと思う相手は既に交際相手が居て断られたり、趣味じゃないからと断られたりしていて、最近はフリーだったらしい。
佐々木先輩は私にも興味を持っていたとは聞いてたけど、私は冬樹くん一筋なのでその時はフリー期間が伸びていたはずなので、フリーの明良さんへ気持ちが行ったのはお互いのために良かったと思う。
明良さんの見た目は女性らしい格好をする様になって可愛くなっていたけど、佐々木先輩を意識するようになってから内面も乙女みたいな感じで可愛さが増してきて、それは私だけでなく大学内でも最近すごく可愛くなったと評判になっているのを見聞きする。私の感覚からすると中学生くらいで通過する恋愛への憧れを今からしようとしている様にも見えるけど、それがギャップですごく可愛くなっているのだから悪くはないと思う。
いよいよ過去を振り切って交際を申し込む男子もいるみたいだけど、明良さんは佐々木先輩のことを考えるからと全てお断りしていて、誠実さを感じている。
冬樹くんはテスト勉強があるのに私のことを第一に気遣ってくれて、それに対して申し訳ない気持ちになりつつも何よりも大事にされているという実感で幸せを感じている。今まで生きてた21年間で一番幸せな時期だと思う。
未来に向けての準備として玲香さんに乳幼児の子育てをしながらできる仕事がないか紹介をお願いしていて、近い内にプレゼンをしてくれるという・・・やはり、ビジネスについてはずっとやってきている玲香さんは頼りになると思う。
ただ、その玲香さんから『せっかく貸しができているのだから佐々木先輩にも紹介をお願いした方が良いよ』と勧められていて、玲香さんの紹介案件が不発に終わったらお願いしようかとは思っている。
冬樹くんのテストが終わり、いよいよ引っ越しに向けての動きが本格的に動き出した。
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