第2話 カジノ稼業に復帰!
生まれ故郷のエルバン村に辿り着くと、古い知り合いが通りを歩いているのが目に入った。男は俺の事に気が付き、愛想の良い笑顔で近づいてきた。俺の幼馴染グンターだ。
「おい、ハンスじゃあねえかぁ~久しぶりだなあ、おめえどこさ行ってたあ?元気だったかあ?しかしお前随分とやつれちまったなあ、一体何があったんだあ?」
「実は冒険者のパーティーに何とか入れてもらったんだが、レベル1のスライム倒すのに3日かかっちまってな...それで、みっともない話だが、パーティーから追い出されちまった、笑ってくれよ」
俺は肩を落としながら答えた。
グンターは少しだけ眉を寄せて、肩をすくめて静かに言った。
「まあ、しょうがねえよ。お前は見た感じそのまま、ひ弱だからなあ~冒険者にはお前は向いてねえと思ったよ、ガハハハ!気にすんなあ~俺と一緒に農夫でもするべか!」
グンターは優しく言ってくれたが、俺は申し訳なさと劣等感に苛まれた。
「ところで、グンター、今日は金曜だが今でも昔みたいに金曜の夜はカジノに行っているのかい?」
「ああそうだなあ~だが昔みたいにお前がいないからいつも損ばかりしてるわあ~遊び金、遊び金ダァー」
「そうか...じゃあグンター昔みたいに、また一緒に稼いでみるか?」
「おお!!そうがあいいのかあ?そうなると俺も助かるわあ!!まあた昔みたいにお前と一緒にカジノで楽しめるとはあ!お前がひ弱でよがった!ガハハハ!!」
いや...そこ笑うとこじゃないだろう....
「まっその前にだ、俺んちに来い!スライムの粘液だらけの服じゃあカジノに入れねえからな、弟のお古で良ければ、服用意してやるからなあ」
良い幼馴染をもって目頭が思わず熱くなった。
貧乏な俺の家は、いつも名主のグンターの家に世話になっている。ひとり親の母親が事故で滝壺に落ちて死んでからも、グンターの親には食事や、衣服、身の回りの世話になり、まるで兄弟の様に育てられた。
その日の夕方、俺はグンターの案内で、地元で有名なカジノに足を踏み入れた。そこには、カードゲームのテーブルやスロットルマシン、ルーレットがズラリと並び、騒がしくも盛り上がっていた。
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