【episode.6】母の日〜父と僕と咲いた花〜

僕は高校生になった。

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今日は男友達を家に招いて僕の家で試験勉強をしている。

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気になるのは、お母さんが30分ごとに部屋をこっそり部屋を覗いてくることだ。

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ちゃんと勉強しているのか気にしているのだろうか。

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本人はバレていないつもりだろうが、バレバレである。

お母さんは抜けているというか、おっちょこちょいである。

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「お母さん、定期的に覗きにくるね笑」

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友達にもバレている。

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次に覗きに来た時に、休憩にどうぞと言って手作りしたケーキと紅茶を持ってきた。

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優太「クッキー、食べない方がいい、食べたらお腹こわすから。笑」

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そう言ったが友達は気を使ってクッキーを食べた。

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案の定、友達はそれからしばらくトイレにこもっていた。

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お腹が回復してトイレから戻ってきて、勉強を再開した。

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ふと、友達が顔を上げた。

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「今日母の日だよ、何かするのか?」

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唐突な質問だった。

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母の日か、何も考えていなかったな、、

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「今までプレゼントしたことないの?あのお母さんなら、お前が何かあげたら飛んで喜ぶと思うし、たまには感謝の気持ち伝えてみたら?」

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よし、今日は何かプレゼントしよう、と思ったものの、何を買っていいか分からず

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試験勉強を早めに切り上げ、そのまま友達とプレゼントを買いに行った。

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「お母さん、好きなものとかないの?」

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「うーん何が好きなんだろうなぁ、あ、花とか好きかも、毎日花瓶に花飾ってるし。」

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「お、花いいじゃん!!花にしよう!」

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こうして、2人で花屋へ行った。

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花の種類なんてよく分からず、鉄板だが、店員さんにすすめられたカーネーションの花を一輪買った。

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家に帰るとお母さんは台所で料理をしていた。

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買ってきたカーネーションを渡そうと話しかけようとした時、お父さんが仕事から帰ってきた。

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お父さんの手に持っているものを見て、驚いた。

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僕が持っているものと同じ花を持っていた。

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お父さんも、僕の手の中にある花を見て驚いていた。

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2人でニヤッと笑った後、

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「「お母さん!」」

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2人で母を呼んだ。

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振り返ったお母さんは、花を持って並ぶ僕たちの姿を見て、初めは驚いた様子だったが、すぐに、満開の笑みを咲かせた。

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「「いつもありがとう!」」

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2人でお母さんに花を渡す。

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2輪のカーネーションを受けとったお母さんは、とても綺麗だった。

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これからは、毎年プレゼントしよう。

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あ、試験勉強の途中だった。

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「部屋で勉強してくる!」

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テストで良い成績を出して

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またお母さんの笑顔を見たい。

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勉強も頑張るか。

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そう思った母の日であった。

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#満開の笑顔

#花にも負けない

#咲いた花は

#母の笑顔

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