続【episode.5】妻との出会い〜シャイ男の告白〜
告白の場所は、色々考えた結果一周回って彼女の仕事が終わった後、花屋の前で告白することにした。
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仕事終わりの彼女がお店から出てきた。
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「す、すすすす好きです!
つ、つつつつ付き合ってください!
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唐突に、スイセンノウの花を差し出して彼女に思いを伝えた。
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1ヶ月間もセリフを考えて、昨日の夜も何十回も練習したのに、緊張してしまい普通すぎる言葉しか出てこなかった。
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しかも、すすすすつつつつって、、
どもりすぎにも程がある。
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彼女は少し驚いた様子で、固まっていた。
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引かれたか?
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花をプレゼントして告白なんて
重かったか?
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それとも仕事終わりに待ち伏せしていたのが気持ち悪かったか?
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ジムで体を絞りすぎてそもそも俺が誰か分かっていないか?
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色々な考えが、凄まじいスピードで頭をぐるぐるする。
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「お願いします!」
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彼女はにこっと笑って花を受け取ってくれた。
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こうして、彼女と俺の交際はスタートした。
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それから3年後、俺たちは結婚した。
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優太という息子も生まれて、幸せの絶頂だった。
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そんな息子も中学生になった。
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「お父さん、この問題教えて〜」
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息子は妻に似て勉強が苦手なようだ。
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俺は昔から勉強だけは真面目に取り組んできたので、中学生の問題くらいは解ける。
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息子に数学の解き方を教える。
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そのままかれこれ1時間、2人で勉強していた。
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疲れてきた頃、妻がおにぎりを作って持って来てくれた。
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相変わらず塩加減がバラバラで、
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辛かったり味がなかったりするが、
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俺も息子も、妻の料理の腕前にはもう慣れている。
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2人でむしゃむしゃ食べた。
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ふと横を見ると、妻も隣に座って息子の問題を解き始めていた。
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、、教える人が1人増えたな。
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家族3人で勉強する夜。
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妻と息子と塩辛いおにぎり。
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それがあれば、十分だ。
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眉間にシワをよせながらも一生懸命計算している2人を眺めて
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今日も幸せを実感した俺であった。
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