[詩] 無題

汐崎ひかり

無題

山の難破船は

私を死地へ誘い

それに倒れ伏したときには

その姿を見ようと群がった烏合の衆

山の難破船は

人知れずに残した冒険譚を

世に広めようとするのです

それは社会的地位や誇るべき傷でもなく

ただ自分と向き合い

孤独の中で苦しんだ証なのです

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

[詩] 無題 汐崎ひかり @serori_c

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る