第17話

侑斗のお母さんは、震える声を振り絞りながら僕に説明した。

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嘘だ。

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嘘だ。

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そんなわけない

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あの侑斗が

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侑斗が死ぬなんて

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そんな事あるわけがない。

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こんな現実が、あるわけない。

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「私も、人違いであってと何度も祈ったの。

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でも、侑斗だったの。

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ごめんね。本当にごめんね。」

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お母さんは泣きじゃくりながら、何度も僕に謝った。

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僕に謝るお母さんの泣き声を聞いて

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両親が亡くなった時に味わった喪失感が

再び僕を襲い

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僕の心は壊れた。

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もう、何もかもが

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どうでも良くなった。

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大切なものが、次から次へと目の前から失くなり

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もう、生きている意味が分からなくなった。

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僕は、完全に希望を失った。

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そして、1週間後

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落下予定時刻ちょうどに、石川県を中心に

日本列島に巨大隕石が落下した。

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関東地方だけでなく、近畿地方や九州にまでも爆風は届き、東京タワーやスカイツリーも当然のごとくこっぱみじんに崩れ落ちた。

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日本のシンボルはいとも簡単に粉々になった。

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地球を襲った隕石落下騒動は、最後に日本国民の心に大きなダメージを与えて

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幕を閉じた。

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特に多大な被害を受けた日本には、各国から多くの支援が届いた。

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これから、日本の復興が始まる。

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日本が元通りになるまで、いったいどれくらいの歳月がかかるのだろう。

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何年、何十年かかるかは分からない。

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それでも、いつか必ず元の生活に戻れると、

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そう希望を持って進もうとする人もいれば

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僕みたいに、まだまだ前を向くことができない人も沢山いた。

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#次で最終話です

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