第17話
侑斗のお母さんは、震える声を振り絞りながら僕に説明した。
.
.
.
.
.
嘘だ。
.
.
.
.
.
.
.
嘘だ。
.
.
.
.
.
.
.
そんなわけない
.
.
.
.
.
.
あの侑斗が
.
.
.
.
.
侑斗が死ぬなんて
.
.
.
.
.
そんな事あるわけがない。
.
.
.
.
.
こんな現実が、あるわけない。
.
.
.
.
.
.
「私も、人違いであってと何度も祈ったの。
.
.
.
.
.
でも、侑斗だったの。
.
.
.
.
.
ごめんね。本当にごめんね。」
.
.
.
.
.
お母さんは泣きじゃくりながら、何度も僕に謝った。
.
.
.
.
.
.
僕に謝るお母さんの泣き声を聞いて
.
.
.
.
.
.
.
両親が亡くなった時に味わった喪失感が
再び僕を襲い
.
.
.
.
.
.
僕の心は壊れた。
.
.
.
.
.
.
もう、何もかもが
.
.
.
.
.
どうでも良くなった。
.
.
.
.
.
大切なものが、次から次へと目の前から失くなり
.
.
.
.
.
もう、生きている意味が分からなくなった。
.
.
.
.
.
.
僕は、完全に希望を失った。
.
.
.
.
.
.
.
.
.
---------
.
.
.
.
.
.
.
.
.
そして、1週間後
.
.
.
.
落下予定時刻ちょうどに、石川県を中心に
日本列島に巨大隕石が落下した。
.
.
.
.
.
関東地方だけでなく、近畿地方や九州にまでも爆風は届き、東京タワーやスカイツリーも当然のごとくこっぱみじんに崩れ落ちた。
.
.
.
.
.
日本のシンボルはいとも簡単に粉々になった。
.
.
.
.
.
.
地球を襲った隕石落下騒動は、最後に日本国民の心に大きなダメージを与えて
.
.
.
.
.
.
幕を閉じた。
.
.
.
.
.
.
特に多大な被害を受けた日本には、各国から多くの支援が届いた。
.
.
.
.
.
これから、日本の復興が始まる。
.
.
.
.
.
日本が元通りになるまで、いったいどれくらいの歳月がかかるのだろう。
.
.
.
.
.
何年、何十年かかるかは分からない。
.
.
.
.
.
それでも、いつか必ず元の生活に戻れると、
.
.
.
.
.
そう希望を持って進もうとする人もいれば
.
.
.
.
僕みたいに、まだまだ前を向くことができない人も沢山いた。
.
.
.
.
#次で最終話です
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます