お読みいただきましてありがとうございます。
エリナとジェイのいた世界は、まさにそういう「正義」＝「自称『正義の味方』」状態の連中が闊歩していた世界なんです。というより、設定上本当に「正義」と呼べる勢力が消滅しています。
「正義」が自分に酔って「正義のためなら何でもしていい」と思い始め、「悪」と同じ外道に堕ちることなんて歴史上よくありましたから。下手な「悪」より自分を一切疑わない「正義」の方が始末が悪いというのもまたしかり。
そこを踏まえ、普通改造人間の戦闘員なら「悪」の方なのに、実は造ったのは「正義」の方だった……その意外性と悲惨さ、そして先のようなことへのカリカチュアをこめての設定と描写です。
これを書いた当時はまだ某国の侵攻も始まっていなかったのですが、まあ現実世界でもああいう「自称『正義』」は湧いて出るものだと。
「マスク外せマン」は何だか続々出ているようですね。逆も見たことがあります。きっぱり言いますがもうああいうのは何言っても駄目です、「正義」という美酒で中毒起こしてますので。
個人なら嫌な気持ちになるだけですが、変に物理的な力や社会に影響力を持つ集団がやらかすとほんともうしゃれにならない害毒にしか……。
これから先、ところどころやや長めだったり情報量が密だったりする話もありますが、お楽しみくださいますと幸いです。