【番外】 傘とミラクル牛乳から搾ったデンプン
3
シテルンリッタは、ただ歩いていた。
その身より長い刀身を背に掛け、古びた帽子を深く被るその様は、正に放浪者を体現していた。
彼が背負う大太刀は、常人には持つことすら困難な程に長大で、先端は地に迫っていた。しかし、彼には問題にならないだろうと、その体躯が見た人にそう思わせる。
彼の足跡は、すでに地平線まで伸びていた。
それからどれ程の時が過ぎたか。
時々立ち止まって、腰に提げた水筒を手に取る。
そうして自分の歩いた距離を振り返る。
すでに影は伸び始めている。
しかし、彼が歩みを止めることはない。
4
いつも通り、道ゆく人に声を掛け、興味を持った人に剣を売る。ただそれだけを繰り返す日常であった。
その身を資本とし、戦いが生業の客が相手である。この商いにおいては侮られないことが重要だと男は考えていた。常に目を細めて、相手を威圧するのが癖であったが、客が寄りつかないのは気のせいだろう。
その日常は、1人の客によって一変することとなった。
その男は異常であった。背丈は2mを超えているのが目測でも明らかであった。人混みでもその存在感から、彼の周りに空間が出来ていた。
背にある大太刀が目を引くが、それ以上に彼の体躯から感じさせる強靭さは目を見張るものがあった。長年の記憶を辿らずとも、これほどの大男が皆無であるのは明白であろう。
その男が店の前に立ち止まってから少し経って、男は響く様な低い声を発した。
「たまもぉ!?BOYMEN NINJA、、、それはチョコレイトなのかなぁ⁉️🐡」
店主は気絶した--。
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