第6章 黄緑の後進

【番外】 ヒーローの帰還

「ボブ、君は、なんなんだ。」


そう聞いた時、過去の懸念は未来への絶望となった。

既にボブは変質している。それは30GHzで振動していたが、匂いはしなかった。


これはボブの壮大な物語の始まりである。


朝、今日も僧帽筋ジェームズにおはようと声を掛けた。大殿筋ボブには一昨日おやすみを言ったきり、話しかける勇気が出ない。


「世界はボブに懸かっているというのに、君はどうしてしまったんだ。」


小指で大剣を握りしめ、足首で太古龍エンシェントドラゴンを絞め殺す。いまだボブが本来の力を取り戻しておらず、今日も大陸を3つしか守れなかった。


「あと9兆7512億8192万3987の大陸と、2亥7002憶3801万2241の海を守らないといけないのに。」


そう言ってボブを握りしめた!その時、俺の右目が3分の2π回転した。なのに左手はラプラス変換が止まらない‼


「どうしよう!」


遂にヒラメ筋キャサリンが振動を始めた!ぶるんっ!右大胸筋アレックスはひとりでにビートを奏でてボイパで5重奏だとぉ!?驚いて乳首の空間座標を固定してしまった。きゅうぃぃいん‼


「オーマイガー!」


あまりの気持ちよさに、プロテイン6.02×10²³いちもる㎏をシェイクしてしまった。そして世界は救われたのである。

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